最終更新:2025年11月5日
1. なぜ今、50代・60代に『界』がおすすめか
50代、60代と人生の節目を迎え、これからは「量より質」の、少し贅沢な時間を夫婦でゆっくり過ごしたい。そう考えたとき、多くの方が一度は憧れるのが「星野リゾート」ではないでしょうか。
テレビや雑誌で見かけるたびに、「素敵だな、いつかは泊まってみたいな」と思いますよね。
中でも、全国の有名な温泉地にある「界(かい)」ブランドは、洗練された雰囲気と、その土地ならではの魅力が詰まっていると聞きます。
ただ、その一方で、「あそこはおしゃれで、若者向けの宿じゃないかしら」「私たち夫婦が行ったら、なんだか浮いてしまいそう…」と、気後れを感じてしまう方も少なくないようです。
「高級ホテルみたいに、服装(ドレスコード)とか難しいマナーがあるんじゃないか?」「かえって緊張して、疲れてしまうかもしれない」…そんな不安が、予約ボタンを押す手を止めてしまう。
でも、実はそれ、まったく逆なんです。
「界」ブランドは、伝統的な日本旅館が持つ「心からのおもてなし」の良さと、現代のホテルが持つ「機能的な快適さ」を、まさに見事に両立させている宿なんです。
畳の部屋で正座するのが辛い…、布団からの起き上がりが大変…といった、シニア世代が旅先で感じる「小さなストレス」を、最初から取り除く工夫があります。
それでいて、館内に用意された肌触りの良い「作務衣(さむえ)」で、食事場所もラウンジも、どこでもリラックスして過ごせます。あの、さらりとした生地が肌に触れる心地よさこそ、「界」が提供するくつろぎの象徴かもしれません。
高級ホテルほど気張らなくてよく、伝統旅館ほど体に負担がかからない。「界」は、まさに50代・60代からの大人の旅に、一番ぴったりな場所なのではないでしょうか。
この章では、まずその「なぜ気後れしなくて良いのか」という理由から、詳しくご説明していきますね。
| 理由 | 具体的な内容 | シニアにとってのメリット |
|---|---|---|
| ① 旅館の心遣い | スタッフの丁寧な接客、和のしつらえ。 | 高級ホテル特有の「緊張感」が少なく、リラックスできる。 |
| ② 現代の快適性 | ローベッドの寝室、椅子席での食事。 | 伝統的な旅館の「布団(起き上がり)」や「座卓(膝の痛み)」といった体への負担が少ない。 |
| ③ 宿で完結する体験 | 「ご当地楽」など、宿の中で完結する無料の体験。 | 観光地を歩き回らなくても、その土地の文化に触れられる。 |
つまり、「界」は、私たちが温泉旅館に期待する「癒し」と、ホテルに期待する「快適さ」の、“良いとこ取り”をした宿だと言えます。
特に、多くの方が心配される「服装」については、この後のセクションで詳しくお話ししますが、結論から言うと「何も心配いりません」。
館内には着心地の良い作務衣が用意されていて、多くの宿泊客が、夕食も朝食も、その作務衣のまま過ごしています。
「ディナーのために着替えなきゃ」というプレッシャーがないだけで、荷物も心も、どれだけ軽くなることか。これこそが、「界」がシニア世代に支持される、大きな理由の一つなんですよ。
1-1. 気後れしなくて良い3つの理由
先ほどの表でも少し触れましたが、シニア世代が「界」を訪れて「あぁ、ここにして良かった」と感じる理由を、もう少し詳しくお話ししますね。
一つ目は、やはり「スタッフの絶妙な距離感」です。
「界」のスタッフは、皆さんとても丁寧ですが、高級ホテルのように常にピシッとしている…というよりは、日本旅館の仲居さんのような、温かい「おもてなし」の心を感じさせてくれます。こちらが何かを頼む前に、そっと気づいてくれるような安心感があります。
二つ目は、先ほどからお伝えしている「体の快適さ」です。
50代・60代になると、いくら風情があっても、畳に座卓での食事や、お布団での寝起きは、膝や腰にこたえますよね。「界」の客室は、その点を本当によく考えられていて、寝具は高さの低い「ローベッド」、くつろぐ場所には「ソファや椅子」が基本です。
そして三つ目が、「宿から出なくても楽しめる」こと。
「ご当地楽(ごとうちがく)」という、その土地の伝統芸能などをスタッフの方が無料で紹介・実演することが多い時間があります。夕食のあと、ラウンジに集まって、お酒を片手に鑑賞する…。わざわざ観光地を歩き回らなくても、宿の中でゆったりと旅の思い出が作れるんです。
行動のアドバイスとして、もし「界」に泊まるなら、この「ご当地楽」の時間は、ぜひスケジュールに組み込んでみてください。無料とは思えないほど本格的で、「こんな文化があったんだ」と、きっと会話も弾みますよ。
「界」がシニア世代に快適な設計・サービス
- 客室の快適性
- 多くの客室で、布団ではなく「ローベッド」を採用しており、起き上がりの負担が少ない。
- 畳の上でも楽な姿勢でくつろげるよう、「ソファ」や「座椅子」が設置されていることが多い。
- 食事場所の快適性
- 食事処は、座卓ではなく「椅子・テーブル席」が基本。(詳細はセクション2-3)
- 半個室や個室が用意されている施設も多く、周りを気にせず食事が楽しめる。
- 館内での体験(無料)
- ご当地楽(ごとうちがく):スタッフによる、その土地の文化や伝統芸能の紹介(無料のことが多い)。(例:界 加賀の加賀獅子舞、界 遠州のお茶など)
- トラベルライブラリー:その土地の本を読みながら、無料のコーヒーやハーブティーを楽しめる施設もある。
1-2. 服装(ドレスコード)の目安
さて、シニア世代の方が「高級宿」と聞いて、一番悩まれるのが「服装(ドレスコード)」ではないでしょうか。
「ディナーの時、夫はジャケットが必要?」「私はワンピースじゃないと恥ずかしいかしら?」…そんな心配をされるお気持ち、とてもよく分かります。
でも、ご安心ください。「界」ブランドには、厳格なドレスコードは基本ありません(施設方針により異なる場合があります)。
なぜなら、「界」はホテルではなく、あくまで「温泉旅館」のスタイルだからです。
お部屋には、肌触りがとても良く(これが本当に気持ちいいんです!)、デザインも落ち着いた「作務衣(さむえ)」が用意されています。そして、驚くことに、「界」では夕食も朝食も、この作務衣のまま食事処に行ってOKな施設がほとんどです。
実際に泊まってみると、食事処にいらっしゃる方の多くがこの作務衣です。リラックスした雰囲気の中で、お風呂上がりの火照った体のまま、美味しいお料理をいただける…。これは、着替えが必要な高級ホテルにはない、温泉旅館「界」ならではの大きな魅力です。
行動のアドバイスとして、もちろん「記念日の旅行だから、少しおしゃれしたい」という場合は、ワンピースや襟付きのシャツなどで食事に行っても全く問題ありません。でも、荷物を最小限にして楽をしたいなら、「行き帰りの服」以外は、すべて「界」の作務衣で過ごす!と決めてしまうのが、一番賢く、快適な過ごし方ですよ。
「界」での服装目安(シニア向け)
| シチュエーション | おすすめの服装 | ポイント・注意点 |
|---|---|---|
| 行き・帰り(チェックイン等) | 普段のお出かけ着 (例:楽なパンツ、ブラウス、カーディガンなど) |
特に気張る必要はありません。ご自身の楽な服装でOKです。 |
| 館内での滞在 (客室・廊下・湯上がり処) |
作務衣(さむえ) (客室に用意あり) |
滞在中は、これが基本の服装になります。 |
| 食事(夕食・朝食) | 作務衣(さむえ)でOK | 作務衣の方が多い印象です。 ※記念日などで着替えたい方は、もちろん私服(ワンピース等)でも大丈夫です。 |
1-3. 共通のおもてなし(湯上がりサービス・ご当地楽)
「界」ブランドの嬉しいところは、北は北海道から南は九州まで、多くの施設で「共通の嬉しいおもてなし」が用意されていることです。
特にシニア世代に人気なのが、「湯上がりサービス」です。
温泉から出たところ(湯上がり処)に、冷たいドリンクや、なんとアイスキャンディーが置いてあることがあります。もちろん無料で、お風呂上がりの火照った体に、あの冷たさが染み渡るのがたまりません。朝は、お酢のドリンクや乳酸菌飲料に変わっている日もあり、その心遣いが嬉しいんですよね。
また、ロビーの一角には「トラベルライブラリー」があり、その土地の工芸品や歴史に関する本を、無料のコーヒーやハーブティーをいただきながら、ゆっくり読める施設もあります。
そして、先ほどから何度も出ている「ご当地楽(ごとうちがく)」。
これは、その土地の文化(例えば、界 遠州なら「お茶」、界 加賀なら「加賀獅子舞」など)を、スタッフの方が夜の時間帯に無料で紹介・実演することが多いイベントです。
行動のアドバイスとして、この「湯上がりサービス」と「トラベルライブラリー」は、チェックインしたらまず場所を確認してみてください。お部屋で一息つくのも良いですが、まずはライブラリーでご当地のお茶を一杯いただいてからお風呂に向かう…というのも、贅沢な時間の使い方ですよ。
「界」ブランドの主な共通サービス(無料)
- 湯上がり処のサービス
- 内容:時間帯に応じた無料のドリンクや軽食の提供。
- (例)夕方:アイスキャンディー、冷たいご当地茶、ビネガードリンクなど。
- (例)朝:乳酸菌飲料、温かいお茶など。
- ※内容は施設や季節により異なります。
- トラベルライブラリー
- 内容:その土地の文化・歴史・工芸に関する書籍を揃えたラウンジスペース。
- 設備:無料のコーヒー、紅茶、ハーブティーなどが用意されていることが多い。
- ご当地楽(ごとうちがく)
- 内容:その土地の伝統芸能や文化を、スタッフが無料で実演・紹介する施設が多い。
- 時間:夕食後の時間帯(例:21:00~)に約30分開催されることが多い。
2. シニア向け『界』選びの4ポイント
セクション1で、「界」はシニア世代にも快適で、気後れする必要がない宿ですよ、とお話ししました。
ですが、実はここからが一番大切なところです。「界」ブランドは全国に20箇所以上ありますが、「どの『界』を選ぶか」で、旅の快適さがまったく変わってきてしまうんです。
若い頃は「素敵なデザインだから」「絶景が見られるから」という理由で宿を選べました。でも、50代・60代になると、それだけでは満足できない「体への負担」という現実的な問題が出てきますよね。
例えば、全国の「界」の中には、自然の地形をそのまま活かした結果、フロントから客室までが遠かったり、歴史ある建物を改修(リノベーション)したために館内の移動が階段中心になっている施設も、実際にあります(階段移動が多いという声が見られる施設もあります。最新の案内でご確認ください)。
客室の窓から差し込む光はあんなに美しいのに、大浴場に行くまでに何度も階段を上り下りしなくてはならない…。これでは、せっかくの温泉旅行も、くつろぐどころか疲れてしまいます。
そこでこの章では、シニア世代が「界」を選ぶ際に、デザインや食事内容の前に、まず確認していただきたい「4つの快適さチェックポイント」をご紹介します。
「歩く距離」や「寝具」、「食事の椅子」といった、膝や腰の負担に直結する部分。ここをクリアにしてこそ、心からの贅沢な時間を過ごせるのだと思います。
| チェックポイント | なぜシニアに重要か? | 確認する項目 |
|---|---|---|
| ① アクセスと館内動線 | 「歩く距離」と「階段」は、旅の疲れに直結する。 | 駅からの距離、送迎の有無・要予約、館内のエレベーター、客室から大浴場・食事処までの距離と階段。 |
| ② 寝具 | 「布団」の上げ下ろしや寝起きは、膝や腰に負担がかかる。 | 「ローベッド」または「ベッド」が設置されている客室か。 |
| ③ 食事会場 | 「座卓」での長時間の食事は、膝が痛くなる。 | 「椅子・テーブル席」か(※「界」は基本クリア)。 周りを気にせず過ごせる「個室・半個室」か。 |
| ④ 客室風呂 | 大浴場までの移動が億劫でも、部屋で温泉を楽しみたい。 | 客室のお風呂が「温泉」か。供給方式(「源泉かけ流し」か「循環・加温」か)。 |
これら4つのポイントは、パンフレットや公式サイトの美しい写真だけでは、なかなかわかりにくい部分です。
特に「館内動線」のリアルな情報は、泊まった人の口コミが一番。「大浴場まで遠かった」という、その一行が何よりの情報源になります。
次の項目から、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
2-1. アクセスと館内動線(歩数・階段)
旅の快適さは、「移動」で決まると言っても過言ではありません。
まずは宿へのアクセス。最寄りの主要駅からの所要時間、タクシーの目安、そして送迎の有無・要予約は、必ず確認しましょう。
そして、それ以上に重要なのが館内の動線です。これが、「界」によって本当に千差万別なんです。
立地や建物の特性によっては階段移動が多い一方、比較的フラットでエレベーター中心の施設もあります。
湯上がりでぽかぽかした体に、冷たい風が吹き抜ける長い廊下を歩いたり、階段を上ったりするのは、少し辛いものがありますよね。
フロント、客室、大浴場、食事処。この4点を結ぶ「線」が、短く、平坦(エレベーター移動)であること。これがシニアの宿選びでは最優先事項の一つです。
一番確実な行動アドバイスとして、各施設の公式サイトには、館内の案内図(フロアマップ等)や写真が掲載されていることが多いです。予約前に確認し、「エレベーターはどこか」「大浴場と客室のフロアは違うか」「食事処は別棟になっていないか」を、ご自身の目でチェックするのが一番ですよ。
館内動線の確認ポイント(公式サイト・口コミ)
- エレベーターの有無:歴史的建造物の活用施設では、設置されていないエリアがあることも。
- 施設の形態:敷地が広大で、客室や浴場が点在しているタイプは、館内でも歩行距離が伸びやすい。
- 客室の場所:フロントや大浴場から「遠い棟」「離れ」ではないか。
- 口コミの確認:予約サイトで「階段」「移動」「遠い」「エレベーター」等の語で検索。
- リクエスト:予約時に「エレベーターに近い部屋」など、具体的に伝える。
2-2. 寝具選び(ベッド or 布団)
温泉旅館の畳の部屋は、落ち着きますよね。あの、い草の匂いがすると、「あぁ、旅行に来たな」と実感します。
でも、50代・60代になると、あの「布団から起き上がる」という動作が、毎朝「よっこいしょ…」と膝や腰に負担がかかるのも事実です。
その点、「界」ブランドの素晴らしいところは、ほとんどの施設・客室で、畳の「和」の雰囲気は残しつつ、寝具はローベッド(高さの低いベッド)を採用していることです。
「界」オリジナルのふわくもスリープマットレスは寝心地が良いと評判。和の空間でくつろぎながら、寝起きは楽。この「和モダン」スタイルが、シニアの体に本当に優しい設計なんです。
ただ、ご注意いただきたいのは、一部の施設や、一番ベーシックな客室タイプだと、今でも純和室の「布団」の場合が残っている可能性があることです。
失敗しないための行動アドバイスとして、予約時には、必ず客室タイプの写真や説明文をよく見てください。「ローベッド2台」「ベッドルーム」としっかり書かれている部屋を選ぶこと。「和室10畳」としか書かれていない場合は、布団の可能性も疑い、詳細を確認したほうが安心ですよ。
「界」の主な寝具タイプ比較
| 寝具タイプ | 特徴 | シニアへの快適度 |
|---|---|---|
| ローベッド(主流) | 畳の上や小上がりに、高さの低いベッドが設置されている。「界」の多くの施設がこのタイプ。 | ◎(起き上がりが非常に楽) |
| 通常のベッド | 洋室や和洋室に、一般的な高さのベッドが設置されている。 | ◎(起き上がりが非常に楽) |
| 布団(一部客室) | 純和室に布団を敷くタイプ。 | △(膝や腰に負担がかかる場合あり) |
2-3. 食事会場(個室・椅子の種類)
寝具と並んで、膝や腰の負担に直結するのが「食事のスタイル」です。
まず嬉しいお知らせとして、「界」ブランドでは、基本的に夕食も朝食も、お部屋ではなく「食事処(レストラン)」でいただきますが、その食事処は基本「椅子・テーブル席」です。
伝統旅館のように、畳の部屋に座卓で正座…ということはまずありませんので、ご安心ください(施設により運用が異なる場合があります)。
ただ、快適さがもう一段階変わるポイントが、「個室・半個室かどうか」です。
「界」の食事処は、多くの場合、すだれや美しい格子(こうし)でテーブル間が仕切られた半個室が主流です。完全に閉じこもってはいないけれど、周りの視線は気にならない。隣のテーブルの楽しそうな話し声はかすかに聞こえるけれど、自分たちの会話に集中できる…。この適度なプライベート感が、食事を一層リラックスしたものにしてくれます。
施設によっては、追加料金や特定のプランで「完全個室」を選べる場合もあります。
行動アドバイスとして、もし還暦のお祝いや結婚記念日などで、「夫婦水入らずで、本当に静かにお祝いの食事を楽しみたい」という明確なご希望がある場合は、予約時に「個室(または、できるだけ静かな半個室)はありますか?」と、宿に直接電話で確認・リクエストしてみることをお勧めします。
「界」の食事会場チェックポイント
- 席のタイプ:原則「椅子・テーブル席」です。膝や腰の心配は少なめ。
- プライベート感:半個室が主流。すだれや仕切りで区切られ、周りの視線を気にせず食事ができます。
- 個室の有無:施設によって異なります(記念日利用は事前相談が確実)。
- 移動:客室棟から食事処まで、外移動・階段の有無を「館内動線(2-1)」とあわせて確認。
2-4. 客室風呂と温泉の質
せっかくの温泉旅行。「大浴場もいいけれど、お部屋で好きな時に、人目を気にせず温泉に入りたい」…50代・60代になると、その思いは一層強くなりますよね。
「界」ブランドでは、そうしたニーズに応える露天風呂付き客室や温泉内湯付き客室を用意している施設が非常に多いのも魅力です。
窓を開けて、冷たい外気に肌がピリッとする手触りを感じながら、自分だけの湯船でゆっくりと手足を伸ばす…。あれこそが、最高の贅沢かもしれません。
ただ、ここで注意点が2つあります。
1つ目は、客室のお風呂が温泉ではない場合もあることです(施設・客室タイプによって異なります)。
2つ目は、「温泉」であっても、源泉かけ流しか、衛生管理のための循環・加温かは、施設によって異なることです。
温泉好きのシニアが失敗しないための行動アドバイスです。「露天風呂付き客室」という言葉の響きだけで飛びつかず、予約サイトのプラン詳細や公式サイトの客室説明を、よく読んでください。
「【客室露天風呂(温泉)】」と書かれているか? さらに「源泉かけ流し」の表記があるか? そこまで確認して予約するのが、理想の湯浴みを叶えるコツですよ。
客室風呂の確認ポイント
| 確認項目 | チェック内容 | シニアへの影響 |
|---|---|---|
| ① 温泉かどうか | 「露天風呂付き」とだけ書かれている場合、温泉ではなく「沸かし湯(ジャグジー等)」の可能性も。 | お湯の質にこだわる方は、がっかりする可能性。 |
| ② 温泉の供給方法 | 「源泉かけ流し」か、「循環・加温・加水あり」か。 | 「源泉かけ流し」にこだわる方は、表記を要確認。 |
| ③ 大浴場との距離 | 客室風呂がないプランを選ぶ場合、大浴場までの動線(階段・距離)が楽かどうか。(→セクション2-1に戻る) | 移動が億劫だと、入浴回数が減ってしまう。 |
3. 【目的別】おすすめの『界』3選
さて、セクション2でご紹介した「シニア向けの4つのチェックポイント」は、ご理解いただけましたでしょうか?
「アクセス(階段・歩数)」「寝具(ベッド)」「食事(椅子)」「客室風呂(温泉か)」…この4点をクリアしていると、旅の快適さが格段に上がります。
とはいえ、全国に20箇所以上ある「界」ブランド。そのすべてを一つひとつご自身でチェックするのは、本当に大変な作業ですよね。公式サイトを見比べても、なかなか階段の数までは分かりにくいものです。
そこでこの章では、「あの4つのポイントを、高いレベルでクリアしている」施設の中から、特に50代・60代の夫婦旅行の「目的」に合わせて、おすすめしたい3つの「界」を厳選してご紹介します。
「都心から、とにかく楽に行きたい」
「美しい景色を眺めながら、静かに過ごしたい」
「その土地ならではの文化や食事を、個室感のある空間でゆっくり堪能したい」
皆さんの「次の旅で叶えたいこと」を思い浮かべながら、ご覧になってみてください。
| 施設名(例) | 目的・テーマ | シニア向けのおすすめポイント |
|---|---|---|
| 界 箱根 | 都心から好アクセス | ・東京方面から約90分前後で箱根湯本エリアへ、駅からタクシーで数分 ・全室リバービューで、館内は比較的コンパクト |
| 界 遠州 | 絶景と静けさ重視 | ・浜名湖ビューの客室で“何もしない贅沢” ・お茶をテーマにした館内プログラムが充実 |
| 界 加賀 | 温泉と食文化を堪能 | ・加賀の伝統文化×器のしつらえを味わえる ・食事処は半個室が基本。静かな席の相談可 |
あくまで、これは一例です。
例えば「界 箱根」は、箱根湯本の駅からタクシーで数分。荷物を持ってバス待ちをせずに済むだけで、旅の始まりがとても楽になります。
「界 遠州」は、浜名湖の眺めとお茶時間が主役。移動導線もわかりやすく、足腰に不安がある方でも過ごしやすい印象です。
そして「界 加賀」は、半個室中心の落ち着いた食事空間で、器も含めて“ご馳走”を堪能。還暦のお祝いなど、記念日の旅行にもぴったりです。
それぞれの魅力を、もう少し詳しく見ていきましょう。
3-1. 都心から好アクセス(例:界 箱根)
「温泉には行きたいけれど、長い移動は疲れてしまう…」
そうお考えの方に、まずおすすめしたいのが「界 箱根」です。
最大の魅力は、何と言っても「アクセス」。箱根湯本駅からタクシーでおおよそ5〜7分で到着。全室が須雲川のリバービューなので、お部屋では川のせせらぎの音だけが聞こえてきて、都会の喧騒を忘れさせてくれます。
館内も、フロント・食事処・大浴場がコンパクトにまとまっており、移動負担が少ないのが嬉しいところ。
シニア向けの行動アドバイスとして、箱根湯本駅からは、荷物があるならタクシー一択。チェックイン後はトラベルライブラリーでひと息入れてから大浴場へ、という流れが快適です。
「界 箱根」シニア向けチェックポイント
- ① 動線:◎(非常に良い)
駅から車で数分。館内は移動がシンプルで歩く距離も比較的短め。 - ② 寝具:◎(良い)
多くの客室がローベッド系の和モダンで、寝起きが楽。 - ③ 食事会場:○(良い)
椅子・テーブル席の半個室スタイルで、周りの視線が気になりにくい。 - ④ 客室風呂:△(要確認)
露天風呂付きの客室タイプもあります。泉質(温泉か否か)は部屋タイプにより異なるため、予約時に確認を。温泉は大浴場でしっかり楽しめます。
3-2. 絶景と静けさ重視(例:界 遠州)
「観光地をバタバタ巡るのはもう卒業。宿の部屋から一歩も出ずに、ただ美しい景色を眺めて静かに過ごしたい」
そんな「何もしない贅沢」を求めるご夫婦には、「界 遠州」がぴったりです。
静岡県・舘山寺温泉、目の前は雄大な浜名湖。全客室がレイクビューなので、夕暮れには湖面がやわらかな光に染まり、ただ眺めているだけで心がほどけていきます。
ここは「お茶」がテーマ。ライブラリーでは、香ばしいお茶の匂いに包まれながら、好みの茶葉を自分で淹れて楽しめます。ご当地楽「美茶楽」では、美味しい淹れ方を丁寧に教えてくれるのも魅力。
シニア向けの行動アドバイスです。 予約時は「浜名湖ビュー」の客室を指定。夕暮れどき、ソファに深く腰掛けて、無料のお茶を一杯。これだけで“何もしない旅”が完成します。
「界 遠州」シニア向けチェックポイント
- ① 動線:○(良い)
館内の主要スペースがわかりやすく、移動負担が少なめ。 - ② 寝具:◎(良い)
和モダンのローベッド系客室が中心で、寝起きが楽。 - ③ 食事会場:○(良い)
椅子・テーブル席の半個室が基本。 - ④ 客室風呂:△(要確認)
客室内の浴槽仕様や泉質は部屋タイプにより異なります。温泉は大浴場でゆったりと。
3-3. 温泉と食文化を堪能(例:界 加賀)
「せっかく旅行に行くなら、その土地一番の美味しいものを、最高の器で、誰にも邪魔されずにゆっくり味わいたい」
そんな「食」と「文化」を旅の目的にする方には、石川県の「界 加賀」をおすすめします。
山代温泉の老舗旅館を改装した宿で、器は「九谷焼」、お椀は「山中塗」。器の美しい手触りもご馳走の一部です。
食事処は半個室が基本。完全個室は原則設けていないため、静かな席の希望は事前に相談してみてください。
露天風呂付き和室では、客室でも温泉を楽しめるタイプが選べます。夕食後の「ご当地楽」は迫力の加賀獅子舞。お腹に響く太鼓の音に、心が高鳴ります。
シニア向けの行動アドバイスです。 記念日の利用なら、予約時に目的を伝えて配席の配慮を依頼。露天風呂付き客室を選べば、好きな時間に人目を気にせず湯浴みができます。
「界 加賀」シニア向けチェックポイント
- ① 動線:○(良い)
伝統建築を活かした造りのため、一部に段差が残る客室も。心配な方は事前相談を。 - ② 寝具:◎(良い)
和モダンのローベッド系客室が中心。 - ③ 食事会場:○(良い)
椅子・テーブル席の半個室。完全個室は要問合せ。 - ④ 客室風呂:◎(良い)
露天風呂付き和室(温泉)あり。部屋タイプで選択可。
4. 歩かない“ゆったり1日”モデル
「界」に泊まると決めたら、「あれも体験しないと」「これも見ないと」と、ついスケジュールを詰め込みたくなるかもしれません。
でも、50代・60代からの旅で一番大切なのは、「何もしない」という贅沢な時間。観光地を巡るために朝早くから慌ただしく動き回る…そんな旅は、もう卒業しませんか?
この章では、宿にチェックインしてからアウトするまで、館内をほとんど「歩き回らず」に、「界」の中だけでゆったりと過ごす、シニア向けのモデルコースをご提案します。
時計を気にせず、その土地の文化や美味しいもの、そして温泉を、ご夫婦のペースで心ゆくまで味わう…。
例えば、トラベルライブラリーで、淹れたてのコーヒーのいい香りに包まれながら、窓の外の景色をただ眺める時間。
そんな「大人のゆとり」を大切にした過ごし方です。チェックインは早すぎず、15時頃に。そして、チェックアウトは多くの施設で11時(施設により異なる/一部12時)。
この約20時間もの滞在を、いかにリラックスして過ごすか。その具体的な流れを、時間軸に沿って見ていきましょう。
| 時間(目安) | 過ごし方 | ポイント |
|---|---|---|
| 15:00 | チェックインとライブラリー | まずはお部屋でなく、無料ドリンク(内容は施設により異なる)で一息。荷解きは後回し。 |
| 16:00 | 1回目のお風呂と湯上がり処 | 空いている明るいうちに大浴場へ。湯上がりのアイス(提供がある場合)を楽しむ。 |
| 17:30 | 夕食(ご当地会席) | 早い時間を選んで、半個室中心でゆっくり。作務衣(さむえ)のままでOK。 |
| 21:00 | ご当地楽(ごとうちがく)を鑑賞 | 食後の一休みを経て、館内で無料の文化体験に参加(演目・時間は施設により異なる)。 |
| 翌 7:00 | ご当地体操と朝風呂 | 実施の有無・開始時刻は当日案内で確認。無理のない体操で体をほぐし、朝の清々(すがすが)しいお風呂を。 |
| 翌 8:30 | 朝食(ご当地朝食) | その土地ならではの、体に優しい朝食をゆっくり味わう。 |
| ~11:00 | チェックアウト | 朝食後も慌てず、最後にもう一度ライブラリーでお茶を。 |
いかがでしょうか。
観光地への移動が一切入っていないことに、お気づきになりましたか?
「界」には、わざわざ外出しなくても、宿の中だけで五感を満たしてくれる「おもてなし」が、最初からすべて用意されているんです。
このモデルコースを基本に、疲れたらお部屋で昼寝をする、お風呂の回数を減らすなど、ご自身の体調に合わせて、どんどん「引き算」していくのが、シニアの旅を成功させるコツですよ。
4-1. 15:00 チェックインとライブラリー
旅の始まりは、焦らないことが一番です。チェックイン開始ぴったりの15時頃に、ゆったりと宿に到着しましょう。
フロントで手続きを済ませ、夕食の時間を(早い17:30がおすすめです)決めたら、すぐにお部屋へ…と急ぎたいところですが、そこをぐっとこらえてみませんか。
私のおすすめは、まずフロントの近くにある「トラベルライブラリー」に立ち寄ることです。
ここは、無料のコーヒーやハーブティー、ご当地茶などが用意されていることが多い、宿泊者専用のラウンジスペース。ここでまず、温かいお茶を一杯いただいて、長旅の疲れをほぐしましょう。
窓の外の景色を眺めたり、その土地の工芸品や歴史の本をパラパラとめくったり…。お部屋に荷物を置いてしまうと、なんとなく「荷解きしなきゃ」「浴衣に着替えなきゃ」と慌ただしくなりがちです。
でも、この「何もしない時間」を旅の最初に持つことで、心のスイッチが「日常」から「非日常」へと、ゆっくり切り替わっていくのを感じられるはずです。
行動のアドバイスとして、ここでは「30分だけ」と時間を決めず、本当に心が落ち着くまで、お茶のおかわりをしながら過ごしてみてください。この「何もしない時間」こそ、贅沢の第一歩ですよ。
15:00 チェックインとライブラリーでの過ごし方
- 手続き:フロントでチェックイン。夕食の時間(例:17:30 or 19:30)を選びます。食後もゆったりできる「17:30」がシニアにはおすすめです。
- ライブラリーへ:荷物はスタッフに相談のうえ任せ(またはお部屋に置くだけにして)、トラベルライブラリーへ直行します。
- ドリンクを確保:無料のコーヒー、紅茶、ご当地茶など、当日の提供メニューから好みを選びます。
- くつろぐ:ソファに深く腰掛け、まずは一息。本を読んだり、景色を眺めたりします。
- お部屋へ:心が落ち着いたら、お部屋へ向かい、館内着(作務衣)に着替えます。
4-2. 16:00 湯上がり処の楽しみ方
お部屋で作務衣に着替えて全身リラックスしたら、まだ外が明るいうちに、最初のお風呂をいただきましょう。
なぜこの時間が良いかというと、夕食前(18時頃)や夕食後(20時〜22時頃)は、大浴場が一番混み合う時間帯だからです。
でも、この「16時」という時間は、チェックインしたばかりで、まだライブラリーにいる人や、お部屋で荷解きをしている人も多く、大浴場が驚くほど空いていることが多いんです。まさに「穴場」の時間ですね。
広々とした湯船で手足を伸ばし、窓の外の明るい景色や、温泉のお湯が流れ落ちる静かな音に耳を澄ませる…。これぞ、温泉旅行の醍醐味です。
そして、お風呂上がりのお楽しみが、「湯上がり処」です。ここには、冷たいご当地茶やビネガードリンク(お酢のドリンク)、そして無料のアイスキャンディー(提供の有無・時間は施設や季節により異なる)が待っています。
シニア向けの行動アドバイスです。長湯は禁物です。 額にうっすら汗がにじむ程度で一度上がり、湯上がり処でしっかり水分補給をしてください。アイスを一本いただいてソファで涼んでから、もう一度さっと入る。この「分割浴」が、体に負担をかけずに温泉を一番楽しむコツですよ。
16:00 湯上がり処の楽しみ方ステップ
- 貴重品:お部屋の金庫に。タオル類は大浴場に備え付けられていることが多いため、手ぶらでOK(施設によります)。
- 入浴(1回目):まだ空いている明るい時間の大浴場を楽しみます。長湯はせず、10分〜15分程度で一度上がります。
- 湯上がり処へ:湯上がり処のソファで休憩します。
- 水分補給:備え付けの冷茶やビネガードリンクで、しっかり水分を補給します。
- お楽しみ:提供がある場合は無料のアイスキャンディー(夕方限定のことが多い)でクールダウン。
- (任意)入浴(2回目):体が落ち着いたら、もう一度5分ほど短時間で。
4-3. 17:30 夕食(ご当地会席)
お風呂でさっぱりしたら、いよいよお楽しみの夕食です。先ほどチェックインの際にお願いした、早い時間の「17:30」からスタートです。
なぜこの時間がシニアにおすすめかというと、食後に「ご当地楽」(目安:21:00頃)や、もう一度お風呂に入る時間まで、胃を休ませる「ゆとり」が生まれるからです。
服装は、もちろん作務衣のままでOK。食事処へ向かいましょう。
「界」の食事処は、ほとんどがすだれや格子で仕切られた半個室スタイル。周りの視線を気にせず、ご夫婦水入らずで会話と食事に集中できます。個室の有無は施設により異なるため、必要なら事前に確認を。
運ばれてくるのは、その土地の旬の食材をふんだんに使った「ご当地会席」。美しい器に盛られた料理は、目でも楽しめます。器のすべすべとした手触りを感じながら、一品一品、ゆっくりと味わいましょう。
ここで大切な行動アドバイスです。もし「量が少し多いかもしれない」と感じたら、ご飯(白米)の量を「少なめで」と、遠慮なくスタッフの方に伝えてください。 美味しいものを、最後まで「美味しい」と感じられる量だけいただく。これが、大人の食の楽しみ方です。アレルギーはもちろん、苦手な食材も(事前に伝えておけば)細かく対応してもらえますよ。
17:30 夕食(ご当地会席)のポイント
- 時間:17:30スタート(早い時間)を選ぶと、食後がゆったり過ごせます。
- 服装:作務衣(さむえ)のままでOKです。
- 会場:半個室中心。椅子・テーブル席なので膝も腰も楽。個室の有無は要確認。
- 内容:その土地の食材を使った「ご当地会席」。
- 量の調整:ご飯の量や、食べられない食材は、スタッフに気軽に相談しましょう。
4-4. 21:00 ご当地楽を鑑賞
夕食が終わって、お部屋で少しゴロゴロしたり、テレビを見たりして一息ついたら(17:30スタートだと、ここでのんびり2時間以上休めますね)、ぜひ「ご当地楽(ごとうちがく)」に参加してみてください。
これは、多くの施設で21:00頃から約30分、ロビーや専用スペースで開かれる、無料の文化体験イベントです(演目・時間は施設により異なります)。
夕食でお腹がいっぱいになった後、観光地へ夜のイベントを見に出かける…というのはシニアには大変ですが、「界」なら、作務衣のまま、宿の中を少し歩くだけで、本格的な伝統芸能に触れられるんです。
例えば、「界 加賀」なら迫力ある「加賀獅子舞」、「界 遠州」なら「美茶楽(びちゃらく)」と呼ばれるお茶の楽しみ方講座など、その土地ならではの演目が待っています。
行動のアドバイスとして、開始時刻の5分〜10分前には会場に行き、前のほうの席(ソファ席など、楽な椅子)を確保することをおすすめします。 目の前で見る迫力は格別ですし、スタッフの方の解説もよく聞こえます。参加は無料ですし、途中で疲れたら、そっと席を立っても大丈夫。気軽な気持ちで、その土地の文化に触れてみてください。
21:00 ご当地楽(ごとうちがく)の楽しみ方
- 場所:ロビー、トラベルライブラリー、または専用会場(館内マップで確認)。
- 時間:目安は21:00頃から約30分(施設により異なります)。
- 料金:無料。
- 服装:作務衣のままでOK。
- 内容(例):
- 界 箱根:寄木細工の歴史や手業の紹介。
- 界 遠州:美茶楽(お茶の淹れ方・楽しみ方講座)。
- 界 加賀:加賀獅子舞の勇壮な演舞。
- ポイント:良い席で見るために、少し早めに会場へ向かいましょう。
4-5. 翌朝7:00 ご当地体操と朝風呂
翌朝。旅先では、いつもより少し早く目が覚めるのも楽しみのひとつですよね。
朝食(8:30頃がおすすめです)の前に、ぜひ体験していただきたいのが、朝のご当地体操(実施の有無・開始時刻は施設により異なる)です。
これは、「界」のスタッフがリードしてくれる、その土地の動きを取り入れた、ごく簡単なストレッチ体操。ラジオ体操よりもずっとゆったりとした動きで、シニアの方でもまったく無理なく、寝起きの体をほぐすことができます。朝のひんやりとした空気を吸い込みながら、体をゆっくり伸ばすのは、本当に気持ちがいいですよ。
そして、体操で体が目覚めたら、そのまま朝風呂へ。
朝の8時台は朝食に行く人が多いため、7時半頃の大浴場は、これまた空いている可能性が高い「穴場」の時間です。湯上がり処では、朝限定ドリンク(施設や日によって提供内容が異なる)が用意されているのも嬉しいですね。
行動のアドバイスです。朝風呂の前に、必ずコップ一杯のお水(またはお茶)を飲んでください。 寝ている間に失われた水分を補給してから入浴する。これが、体に負担をかけないシニアの朝風呂の鉄則ですよ。
朝の過ごし方(体操と朝風呂)
- 6:30 起床:まずはお部屋で水分補給(白湯など)。
- 7:00 ご当地体操:ロビーやテラスなどで行われる体操に参加。作務衣のままでOK。(※希望者のみ/時間は当日案内を確認)
- 7:30 朝風呂:朝食前の、比較的空いている大浴場へ。湯上がり処では、朝限定ドリンクも楽しめます。
- 8:00 身支度:お部屋に戻り、朝食に向けて身支度を整えます。
4-6. 8:30 朝食〜11:00 チェックアウト
朝風呂でさっぱりしたら、お楽しみの朝食です。時間は8:30頃と、少しゆっくりめがおすすめです。
「界」の朝食は、本当に素晴らしい。多くの施設で「ご当地朝食」が用意されており、例えば「界 遠州」なら鰻のひつまぶし風、「界 箱根」なら自然薯(じねんじょ)のとろろ汁など、朝からその土地の美味しいものを、体に優しくいただけます(内容は施設・季節により異なります)。
もちろん、夕食と同じく、椅子・テーブル席で楽に座れますし、ご飯の量も調整してもらえます。朝の光が差し込む半個室で、一品一品丁寧に作られた朝食をゆっくりと味わう…。これぞ、大人の旅の豊かさですよね。
そして、ここが最後のポイント。多くの施設はチェックアウトが11時と、一般的な旅館(10時)より遅めに設定されています(一部12時/施設により異なる)。
これがシニアには本当に嬉しい。
行動のアドバイスとして、朝食後、荷造りを急がないでください。 11時まで、まだ2時間以上あります。もう一度、トラベルライブラリーでコーヒーを一杯いただく時間も、お土産処(ショップ)をゆっくり覗く時間も、十分にあるんです。
最後の最後まで、慌てず、ゆったりと「界」の時間を味わい尽くす。それが、一番贅沢な過ごし方ですよ。
8:30〜11:00 の過ごし方
- 8:30 朝食:食事処の半個室で「ご当地朝食」をいただきます。
- 9:30 最後のくつろぎ:お部屋に戻って荷造りをする前に、トラベルライブラリーで最後のコーヒーを一杯。または、お土産処(ショップ)をゆっくり覗きます。
- 10:00 荷造り:お部屋でゆっくりと荷物をまとめます。
- 10:45 フロントへ:チェックアウトは11時(または施設により12時)ですが、少し早めにフロントへ。
- 11:00 チェックアウト:フロントで精算。タクシーを呼んでもらう場合は、この時に依頼します。
5. 予約前のよくある質問(FAQ)
さて、泊まってみたい「界」のイメージが、だんだん具体的になってきたのではないでしょうか。
いよいよ予約、となりますが、その前に「もう少し、ここが知りたい」「こういう場合はどうなるの?」と、シニア世代ならではの疑問がいくつか出てきますよね。
例えば、「リッツ・カールトン」のように、優雅な「アフタヌーンティー」を楽しめるラウンジはあるのかしら?
予約するなら、星野リゾートの「公式サイト」からがいいの? それとも、ポイントが貯まる「楽天トラベル」や「一休」のほうが、結局お得なのかしら?
こういう「お金」に関わることは、スッキリさせておきたいものです。
また、せっかくの旅行だから、夫婦の記念日や、親の還暦のお祝いに使いたい、という方も多いと思います。その場合、どんなお手伝いをしてもらえるのかも気になりますよね。
最後の章として、こうした「予約の最後のひと押し」に必要な疑問点を、Q&A形式で分かりやすく解決していきます。
- 「界」ブランドは、一般的な高級ホテル(例:リッツ・カールトンなど)とはサービス形態が異なります。
- 「クラブラウンジ」や「アフタヌーンティー」といった、ホテル型のサービスは基本的にありません。
- 予約の「お得さ」は、時期やプラン、利用サイトのポイント還元率によって変動します。
- 記念日や食事量への対応は、日本旅館ならではの「おもてなし」として、柔軟に対応してもらえることが多いです。
大切なのは、「界」はホテルではなく、「温泉旅館」の進化形だ、と理解しておくことです。
ですから、ホテルに期待する「ラウンジでのアルコール飲み放題」といったサービスはありません。その代わり、旅館に期待する「アレルギーへの細やかな対応」や「記念日への心遣い」は、とても手厚い印象です。
この違いがわかっていると、「思っていたのと違った…」という予約後のすれ違いを防ぐことができますよ。
5-1. ラウンジ・お茶時間やアフタヌーンティーはある?
高級ホテルと聞くと、チェックインした後、専用の「クラブラウンジ」で無料のドリンクや軽食を楽しんだり、昼下がりに3段トレーで運ばれてくる「アフタヌーンティー」を優雅にいただいたり…そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
結論から申し上げますと、「界」ブランドには、そうしたホテル型の「クラブラウンジ」や、有料の「アフタヌーンティー」のサービスは、基本的にありません。
その代わりに「界」が用意しているのが、セクション1や4でもご紹介した「トラベルライブラリー」と「湯上がり処」です。
ライブラリーでは、時間帯を問わず、無料のコーヒーやご当地のお茶(例:界 遠州の煎茶など、良い香りです)を、ソファで自由にいただける場合が多いです(提供内容・時間は施設により異なります)。
アルコールや豪華なケーキはありませんが、静かな空間で、その土地の本を読みながら、自分でお茶を淹れる…この「気兼ねのなさ」が、むしろシニアの旅には心地よい、と感じる方が多いようです。
行動のアドバイスとして、もし「アフタヌーンティー」が旅の主な目的である場合は、「界」ではなく、リッツ・カールトン等の都市型高級ホテルを選ぶほうが希望に合います。
| サービス | ホテル(例:リッツ・カールトン) | 星野リゾート「界」 |
|---|---|---|
| クラブラウンジ (特定客室者向け) |
あり(軽食・アルコール無料など) | なし |
| アフタヌーンティー | あり(有料) | なし |
| 無料の休憩場所 | (ラウンジ利用者以外は限定的) | あり(トラベルライブラリー) ※全宿泊者が利用可。コーヒー・お茶無料。提供時間・内容は施設により異なる。 |
| 湯上がりサービス | (スパ内にあり) | あり(湯上がり処) ※全宿泊者が利用可。ドリンク等は無料。アイスの有無・提供時間は施設や季節で異なる。 |
5-2. 公式と旅行サイトはどちらがお得?
これは、本当に悩ましい問題ですよね。私もいつも迷います。
「星野リゾートの公式サイト」で予約するのが一番安心な気もするし、でも「楽天トラベル」や「一休.com」だと、ポイントが10倍ついたり、セールの割引クーポンが使えたりして、結果的に安くなることも…。
これは、「時期とタイミングによる」としか言えないのが正直なところです。
星野リゾートの公式サイトでは、「ベストレート保証」を掲げていることが多いです。これは、「公式サイトでの予約が、どのサイトよりも一番お安いですよ(同じプラン・同じ日・同条件)」という宣言です。
ただ、楽天スーパーセールや一休のタイムセール、Yahoo!トラベルの日曜日限定割引など、旅行サイト側の「ポイントアップ」や「割引クーポン」を組み合わせると、実質的な支払額は旅行サイトのほうが安くなるケースも多々あります。
シニア向けの行動アドバイスとして、もしポイントを貯めている特定サイトがない場合は、まず「星野リゾート公式サイト」で基本料金やプラン内容(記念日プランなど)を確認し、次に楽天・一休などで大きなセールやクーポンの有無を見比べるのが確実です。支払い方法やキャンセル規定、付帯特典(館内利用券など)も差が出やすいので、合わせて確認してください。
予約サイトの比較ポイント
- 星野リゾート公式サイト
- メリット:「ベストレート保証」で基本料金が最安値のことが多い。公式限定プラン(連泊割引、記念日プラン等)がある。
- デメリット:ポイント還元率は低め。
- 旅行予約サイト(楽天・一休・Yahoo! 等)
- メリット:独自セールやクーポン、ポイントアップで実質最安になることがある。
- デメリット:公式限定プランは予約できない場合がある。キャンセル規定がサイト側仕様になることがある。
- 結論:①まず公式で基本料金とプラン確認 → ②よく使う予約サイトのセール・クーポン比較、の順が後悔しない探し方。
5-3. 記念日(誕生日・還暦)の対応は?
「界」ブランドは、ご夫婦の記念日や、親御様の還暦・古希といったお祝いの旅行に、本当によく選ばれています。
そして、そうした「お祝い」の心遣いは、さすが日本の「おもてなし」の宿。とても手厚く対応してくれますよ。
星野リゾートの公式サイトには、あらかじめ「記念日プラン」が用意されていることが多いです。これを選ぶと、夕食時に乾杯用のスパークリングワインが一本付いてきたり、小さなお花やケーキ(またはお祝いのデザートプレート)を用意してくれたりします。
もちろん、通常のプランで予約した場合でも、予約時の備考欄に「妻の還暦祝いで宿泊します」など一言添えるか、事前に宿へ電話で伝えておくだけで、食事の席を配慮してくれたり、スタッフの方から温かいお祝いの言葉をかけていただけたりします。
派手なサプライズ、というよりは、心にじんわりと染みるような、温かいお祝いをしてくれる。それが「界」のスタイルです。
行動のアドバイスとして、一番のおすすめは「電話」です。 ネット予約を済ませた後、一度で良いので宿に直接電話をかけ、「〇月〇日に予約した〇〇ですが、実は主人の古希のお祝いで…」と伝えてみてください。有料で花束を手配できるか、ケーキは持ち込み可能か(※持ち込みNGの宿が多いです)など、細かな相談にも乗ってくれますし、その一言で当日の配慮がより行き届きます。
記念日対応のポイント
- ① 記念日プランを選ぶ:公式に、乾杯ドリンクやケーキ、お花などがセットのプランがある場合があります。
- ② 備考欄に記入する:通常プランでも、予約フォームの「備考欄」に何の記念日かを具体的に。(例:「結婚40周年の記念旅行です」)
- ③ 事前に電話で相談(推奨):花束の手配、席の配置、貸出品(ちゃんちゃんこ等)の可否などを確認。
5-4. アレルギーや量の調整は可能?
50代・60代になると、健康上の理由で「これは食べられない」という食材があったり、「美味しいものを、少しだけで良い」と、量が気になったりすることも増えますよね。
ご安心ください。この点も、「界」ブランドは非常に丁寧に対応してくれます。
「食物アレルギー」については、予約時に(または宿泊の数日前までに)、具体的な食材(例:甲殻類、そば、卵など)を伝えておけば、可能な限り、別の食材や調理法に変更して対応してもらえます。
また、「量はそんなに食べられないから、品数を減らしてほしい」といったリクエストにも、柔軟に相談に乗ってくれることが多いです(※料金が安くならない場合がほとんどです)。
特に、夕食の最後の「ご飯(白米)」を「少なめに」「一口だけ」とお願いしたり、朝食の「おかゆ」を「ご飯」に変更してもらったり、といった調整は、当日の席でも気軽にスタッフの方に伝えられます。
最も重要な行動アドバイスです。 アレルギーや「絶対に食べられない食材」の情報は命に関わります。予約サイトの備考欄に書くだけでなく、必ず電話でも宿に直接伝え、スタッフに復唱確認をお願いしてください。「伝わっているはず」は一番危険です。
食事のリクエスト対応
- アレルギー対応:可能。
- 方法:予約時に詳細を申告。重度のアレルギーは、宿泊前に電話で可否と代替内容を確認。
- 注意点:当日の申告では対応できない場合がほとんど。
- 苦手食材の変更:相談可能。
- 方法:アレルギーではない苦手食材も、事前相談で変更できる場合あり。
- 量の調整:相談可能。
- 方法:「品数を減らす」は事前に電話相談。「ご飯の量だけ」は当日その場でOK。
6. まとめ
「星野リゾート 界」は、本当にシニア世代にとって理想の宿か、気後れせずに楽しめるのか…。
この記事を通して、その不安は「期待」に変わりましたでしょうか。
結論は、「界」は50代・60代から始まる大人の旅に、最もふさわしい温泉旅館の一つだと、私は強く思います。
その理由は、高級ホテルが持つ「緊張感」や、伝統旅館が持つ「体への負担」という、シニア世代が旅先で感じやすい2つのストレスを、見事に取り除いてくれているからです。
「ディナーのために、何を着ていこう…」
そんな悩みは、肌触りの良い「作務衣(さむえ)」が解決してくれます。あの、さらりとした快適な手触りのまま、美味しい食事をいただける。この解放感は、何物にも代えがたいものです。
「畳に座るのは膝が…」「布団から起き上がるのが腰に…」
そんな不安は、「ローベッド」と「椅子・テーブル席」が解決してくれます。
「観光地を歩き回る体力がないと、楽しめないんじゃ…」
そんな心配は、宿の中だけで完結する「ご当地楽」や「湯上がりサービス」、「トラベルライブラリー」が解決してくれます。※内容や提供時間は施設により異なります。
大切なのは、20箇所以上ある「界」ブランドの中から、ご自身の「今」の体調や目的に合った「界」を選ぶこと。
セクション2でお話しした4つのポイント(①動線・階段、②寝具、③食事会場、④客室風呂)をしっかりチェックして、「界 熱海」のような階段が多い宿は避ける、あるいは「界 遠州」のように館内が平坦な宿を選ぶ、といった「賢い選択」をすること。
それさえできれば、後はセクション4のモデルコースのように、時計を気にせず、宿の中で「何もしない」という、一番贅沢な時間を過ごすだけです。
この記事が、あなたの「次の、ちょっと贅沢な旅」を後押しする、心強いガイドブックになれば、これほど嬉しいことはありません。
【「界」デビューを成功させる 5つの最終チェックリスト】
- □ 服装の心配は捨てましたか?
(館内は「作務衣」で過ごします。おしゃれ着は最小限で大丈夫です) - □ 「館内動線(階段・歩数)」をチェックしましたか?
(公式サイトの館内マップや、口コミで「階段」「遠い」のキーワードを必ず確認しましょう) - □ 「寝具(ベッド)」と「食事(椅子)」を確認しましたか?
(「界」はこれが基本ですが、念のため客室タイプは確認を) - □ 「客室風呂」は「温泉」である必要が本当にあるか、確認しましたか?
(「界 遠州」や「界 箱根」のように、客室風呂が沸かし湯でも、大浴場や宿の魅力で満足できる施設もあります) - □ 記念日やアレルギーのことは、電話で一本伝えましたか?
(ネット予約+「電話での一言」が、おもてなしの質を最大限に高めるコツです)
「界」でのゆったりとした過ごし方がイメージできたら、次はまた別の「贅沢」も気になりませんか?
当ブログでは、シニア世代に向けた「ワンランク上」の旅の情報を、これからもご紹介していきます。

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