最終更新:2025年10月31日

50代・60代になり、夫婦でゆっくり旅行を楽しみたいけれど、食事のたびにレストランへ移動するのが少し億劫だったり、周りの賑やかさが気になったりすることはありませんか?
せっかくの温泉旅行なら、時間や追加料金を気にせず、心からリラックスしたいものですよね。

そんな大人の旅にぴったりなのが、「お部屋食」や「オールインクルーシブ(宿泊料金に食事やドリンク、施設利用料などが含まれる仕組み)」の宿なんです。
お部屋で気兼ねなく美味しい食事を味わったり、ラウンジで美しい景色を眺めながらドリンクを楽しんだり…。

この記事では、大切な人と静かな時間を過ごせる「部屋食」が魅力の温泉宿や、滞在中のお財布を気にしなくて良い「オールインクルーシブ」を採用しているホテル・旅館を厳選してご紹介します。—宿でのんびり過ごす時間こそ、大人の贅沢かもしれませんね。窓から入るやわらかな光を感じながら、ただゆっくりと流れる時間を楽しむ…そんな旅の参考にしていただけたら嬉しいです。

1. 50代・60代に「部屋食」・「オールインクルーシブ」がおすすめな理由

50代、60代と年齢を重ねると、旅のスタイルも少しずつ変わってくるように感じます。若い頃は観光地を駆け足で巡る旅も楽しかったですが、今は「宿での時間をいかに心地よく過ごすか」が大切になってきました。

温泉にゆっくり浸かって、美味しい食事を味わい、静かな部屋でただリラックスする…。そんな「滞在」そのものを楽しむ旅こそ、大人の贅沢ではないでしょうか。

しかし、せっかくの旅行でも、賑やかすぎる食事会場や、大浴場までの長い廊下、あるいは湯上がりにドリンクを頼むたびに「追加料金はいくらかな?」と考えるのは、小さなストレスになることもありますよね。

そこでおすすめしたいのが、「お部屋食」と「オールインクルーシブ」という選択肢なんです。

お部屋食なら、誰にも気兼ねすることなく、夫婦水入らずでゆっくりと食事を楽しめます。窓から見える景色や、部屋に漂うお出汁のやさしい香り、静かな空間で交わす会話…それらすべてが、旅の思い出を深くしてくれます。

また、オールインクルーシブ(宿泊料金にドリンクやサービス料が含まれる仕組み)の宿は、「お財布を気にしなくて良い」という圧倒的な安心感が魅力です。ラウンジで美しい庭園を眺めながらいただくコーヒーも、湯上がりの一杯も、すべて料金に含まれている。この「解放感」が、心の底からのリラックスにつながるのだと思います。

忙しい日常から離れ、大切な人と心から安らげる時間を過ごすために。なぜ今、この2つのスタイルが大人世代に選ばれているのか、その理由をもう少し詳しく見ていきましょう。

大人の宿選びで重視したいポイント 部屋食・オールインクルーシブが応えること
食事の質と環境 周りを気にせず、自分たちのペースで食事を楽しみたい(部屋食)
滞在中の快適さ 館内の移動(特に食事会場)の負担を減らしたい(部屋食)
料金の透明性 追加料金を気にせず、ラウンジやドリンクを楽しみたい(オールインクルーシブ)
心身の休息 日常のストレスから解放され、心からリラックスしたい(共通)

もちろん、「部屋食」や「オールインクルーシブ」という言葉だけで宿を決めてしまうのは少し早いかもしれません。本当の「快適さ」は、もう少し細かいところにあるからです。

例えば、館内の移動。エレベーターから客室までが遠かったり、大浴場までに階段があったりすると、それだけで足腰への負担になります。また、お部屋が純和室で寝具が「お布団」なのか、それともベッドが備わった「和洋室」なのか。食事は座卓なのか、椅子とテーブルなのか。

こうした「小さなけれど重要な違い」が、滞在中の快適さを大きく左右します。次の章からは、そうした具体的なポイントについても、ひとつずつ確認していきましょう。

  • 館内の動線:エレベーターの有無、客室から大浴場やフロントまでの距離、段差や階段の場所。
  • 客室の仕様:寝具はベッドか布団か。食事は椅子・テーブルか座卓か(掘りごたつ式か)。
  • バリアフリー対応:手すりの設置場所、スロープの有無、貸出用の車椅子など。

1-1. レストラン移動不要で静かに過ごせる

「部屋食」の一番の魅力は、やはり「移動しなくて良い」という手軽さと、「周りを気にしなくて良い」というプライベート感ですよね。

温泉に入ってリラックスした後、浴衣のまま、わざわざレストランまで移動しなくてもいい。時間になるとお部屋に温かいお料理が運ばれてくる…この流れは、旅館ならではの贅沢だと感じます。

レストラン会場だと、どうしても周りの方の話し声や、スタッフの方の忙しない足音が聞こえてくるものですが、お部屋食なら本当に静かです。夫婦だけの空間で、目の前の美味しいお料理と、大切な人との会話に集中できます。

特に朝食がお部屋食だと、朝の慌ただしさから解放されます。起きてすぐ、身支度もそこそこに会場へ急ぐ必要がなく、窓から差し込む朝のやわらかな光を感じながら、ゆっくりと一日の始まりを味わえる。これはとても豊かな時間だと思います。

ひとつアドバイスとして、部屋食プランを予約する際は、夕食の開始時間(例えば18時か18時半かなど)を選べる宿かどうかを確認しておくと良いでしょう。自分たちのお風呂の時間や、くつろぎの時間の過ごし方と調整がしやすくなりますよ。

部屋食のメリット 部屋食のデメリット・注意点
◎ レストランへの移動が不要 △ 食事の匂いが部屋に残りやすい(換気で対応)
◎ 周囲の視線や会話を気にせず過ごせる △ 準備や片付けのためにスタッフの方の出入りがある
◎ 浴衣などリラックスした服装のまま食事ができる △ ビュッフェのような品数やライブキッチンは楽しめない
◎ 自分たちのペースで食事と会話を楽しめる △ 食事中や片付けの間、部屋で待機する必要がある場合も

1-2. 追加料金を気にしない安心感(オールインクルーシブ)

「オールインクルーシブ」と聞くと、海外リゾートのイメージが強いかもしれませんが、最近は日本の温泉宿でも増えてきました。このスタイルの最大の魅力は、何と言っても「お財布を気にしなくて良い」という心理的な解放感です。

例えば、湯上がりにラウンジで冷たいビールを一杯、あるいは美しい庭園を眺めながらコーヒーとケーキをいただく時。「これはいくらかな?」と都度考える必要がないだけで、心がとても軽くなります。

滞在中に「これは無料だけど、これは有料」と細かく考えるのは、案外ストレスになるものです。最初から料金に含まれているという安心感が、宿の施設やサービスを「遠慮なく楽しもう」という気持ちにさせてくれますよね。

ラウンジのソファに深く身を沈めて、フリードリンクの冷たいグラスを片手に本を読む…。そんな「何もしない贅沢」を気兼ねなく味わえるのが、オールインクルーシブの良さだと思います。

ただし、行動のアドバイスとして、一口に「オールインクルーシブ」と言っても、宿によって含まれる範囲は様々です。特に、夕食時のアルコール類が別料金だったり、特定の高級なお酒は有料だったりするケースもあります。予約前には必ず「何が料金に含まれているのか」を公式サイトなどで確認しておきましょう。

  • オールインクルーシブに含まれる主なサービス例
    • ラウンジでのフリードリンク(ソフトドリンク、コーヒー、紅茶など)
    • ラウンジでのアルコール類(ビール、ワイン、日本酒など ※時間帯限定の場合あり)
    • ラウンジでの軽食やお菓子、アイスキャンディー
    • 湯上がり処のドリンクサービス(牛乳、お茶、ビールサーバーなど)
    • 貸切風呂の利用料(回数制限や時間制の場合あり)
  • 注意点:夕食時のドリンク、ルームサービス、エステ、一部の高級酒は「別料金」となる場合が多いため、事前に確認が必要です。

1-3. バリアフリーと館内動線(段差・エレベーター・大浴場までの距離)

宿の快適さを決める上で、食事や温泉と同じくらい重要なのが「館内の移動のしやすさ」です。若い頃はデザイン重視で選んでいた宿も、今は「移動の負担」が気になりますよね。

例えば、「せっかくの温泉宿なのに、大浴場までが遠くて長い廊下を歩く」「露天風呂へ行くのに必ず階段を使わなければならない」…これでは、湯上がりの心地よさも半減してしまいます。特に、歴史のある旅館などは、増築を重ねた結果、館内が複雑で段差が多いこともあります。

予約時には、エレベーターの有無はもちろん、「エレベーターから客室までの距離」や「大浴場までの動線に階段はないか」を確認することが大切です。

手すりの設置やスロープの有無といったバリアフリー対応がしっかりしている宿は、それだけで滞在中の安心感が違います。

もし足腰に少し不安がある場合は、予約サイトの口コミで「移動」「階段」「大浴場 距離」といったキーワードで検索してみるのがおすすめです。実際に泊まった方の具体的な感想はとても参考になります。また、予約時に電話で「なるべくエレベーターに近いお部屋を」とリクエストしてみるのも確実な方法ですよ。

チェックしたい館内動線 確認のポイント
客室から大浴場 「徒歩◯分」といった表記より「階段の有無」「エレベーターでのアクセス可否」が重要。
フロント・玄関 駐車場や玄関からフロント、客室用エレベーターまでの間に段差や階段がないか。
食事場所 (部屋食でない場合)客室から食事会場までの距離と動線。
館内のバリアフリー 手すり、スロープの設置。貸出用車椅子の有無。

1-4. ベッドか布団/椅子ダイニングか座卓かの違い

温泉宿といえば「畳の和室」というイメージですが、50代・60代になると「和室の風情は好きだけれど、体に負担がかかるのは避けたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

具体的には、「布団からの起き上がり」と「座卓での長時間の正座やあぐら」です。特に膝や腰に不安があると、これが結構な負担になりますよね。

そのため、最近は畳のお部屋でも寝具はベッド(または高さの低いローベッド)を備えた「和洋室」や「和モダン」タイプのお部屋が非常に人気です。畳のい草の香りを感じながら、起き上がりが楽なベッドで休めるのは、まさに良いとこ取りだと思います。

また、お部屋食の場合も、食事が「座卓」なのか「椅子・テーブル」なのかは大きな違いです。椅子に深く腰掛けて、楽な姿勢でゆっくり食事を楽しめるダイニングテーブルが設置されていると、長時間の食事でも疲れにくく、会話も弾みます。

予約時のアドバイスとして、客室タイプを選ぶ際は、写真や間取り図をよく確認しましょう。「和室10畳」とだけ書かれていても、実際はローベッドが設置されている場合もありますし、逆に「和洋室」でもベッドルームが別で、食事は和室の座卓、というケースもあります。食事場所が椅子・テーブル希望の場合は、その旨を宿に確認するか、プラン名に「ダイニング食」と書かれたものを選ぶと安心です。

スタイル メリット(快適さ) デメリット・注意点
寝具:ベッド
(和洋室・ローベッド含む)
◎ 起き上がりが楽。膝や腰への負担が少ない。 △ 部屋が少し狭く感じることがある。
寝具:布団
(純和室)
◎ 部屋を広く使える。伝統的な和の風情。 △ 起き上がりが大変な場合がある。
食事:椅子・テーブル
(ダイニング)
◎ 楽な姿勢で食事できる。膝が痛くならない。 △ ダイニングスペースの分、居住空間が狭まることも。
食事:座卓
(和室)
◎ 伝統的な旅館のスタイル。 △ 長時間座るのが辛い場合がある。(※掘りごたつ式や座椅子で対応する宿も多い)
キャラクター
「宿での快適さって、こういう小さなことの積み重ねで決まることが多いんですよね。」

2. 選び方とチェックリスト

「部屋食」や「オールインクルーシブ」と一言で言っても、実は宿によってその内容はさまざまです。この言葉の響きだけで選んでしまうと、「思っていたのと違った…」なんてことにもなりかねません。

例えば、「部屋食」だと思って予約したら、実際はお部屋ではなく「食事処の個室」だったり。「オールインクルーシブ」と聞いていたのに、夕食時のアルコールは別料金だったり…。

せっかくの旅行ですから、そんな小さなすれ違いは避けたいものですよね。

ここでは、予約する前に知っておきたい「言葉の正確な違い」や、「どこまでが料金に含まれるのか」といった具体的なチェックポイントをまとめました。

静かなお部屋で、器がそっと置かれるかすかな音だけが響くような食事をイメージしているのか、それとも、ラウンジで美しい庭園を眺めながら、淹れたてのコーヒーの香りに包まれる時間を楽しみにしているのか…。

ご自身の理想の過ごし方を思い浮かべながら、どの宿が一番合っているか、一緒に確認していきましょう。この「事前のひと手間」が、旅の満足度を大きく左右するんですよ。

  • 食事スタイル:「部屋食」と「個室食」は別物として考える。
  • 料金:「オールインクルーシブ」の範囲は宿ごとに異なるため、特に「夕食時のドリンク」が含まれるかを確認する。
  • 快適性:価格や食事内容だけでなく、夕食の時間、禁煙ルームの有無、送迎といった細かな点もチェックリストで確認する。

快適な宿選びは、いわば「自分たちに合わない選択肢」を上手に除外していく作業に似ているかもしれません。

例えば、価格。もちろん安いに越したことはないですが、平日と週末、あるいはシーズンによって価格が大きく変わるのは当然のことです。大切なのは、その価格で「どんな時間」が手に入るのか、というバランス感覚だと思います。

また、静かに過ごすためのちょっとしたコツもあります。お部屋のタイプや階層を選ぶだけでなく、大浴場やラウンジを利用する「時間帯」を少しずらすだけで、驚くほどゆったりと過ごせることもありますよ。

  • 予算:平日・週末・繁忙期(GW、お盆、紅葉、年末年始)の価格差を理解し、可能なら「平日」を狙う。
  • 予約:アレルギーや禁煙などの「必須条件」は、予約サイトの要望欄だけでなく、電話でも念押しすると安心。
  • 過ごし方:大浴場の混雑はチェックイン直後(15時〜17時)と夕食後(20時〜22時)に集中しやすい。その時間を避ける。

2-1. 「部屋食」「個室食」「部屋出し」の違い

宿の予約サイトを見ていると、「部屋食」「個室食」「部屋出し」といった言葉が並んでいて、迷ってしまうことはありませんか?これ、実は似ているようで、過ごし方が全く変わってくる大切なポイントなんです。

部屋食(へやしょく)」や「部屋出し(へやだし)」は、その名の通り、滞在している「客室」で食事をいただくスタイルです。仲居さんがお料理を運んで、準備してくれる、昔ながらの旅館のイメージですね。最大のメリットは、移動が一切不要なこと。温泉から戻って、浴衣のまま誰にも会わずに食事を始められます。

一方、「個室食(こしつしょく)」は、客室とは「別」に用意された「食事専用の個室」へ移動するスタイルです。「食事処」や「料亭」と呼ばれる場所にあることが多いですね。プライバシーは守られますが、客室から食事処までの移動が発生します。

どちらが良いかは好みによりますが、「お部屋で一歩も動きたくない」という場合は「部屋食」を、「寝室と食事場所は分けたい、部屋に料理の匂いが残るのが少し苦手」という方は「個室食」を選ぶと良いでしょう。

食事スタイル 食事場所 メリット 注意点
部屋食
(部屋出し)
滞在中の客室 ◎ 移動が一切不要
◎ 完全なプライベート空間
△ 食事の匂いが部屋に残りやすい
△ 準備・片付けでスタッフの出入りがある
個室食
(個室食事処)
客室とは別の
専用個室(食事処内)
◎ 寝室と食事空間を分けられる
◎ 部屋に匂いが残らない
△ 食事処までの「移動」が必要
△ 客室ほどの解放感はない場合も
会場食
(レストラン等)
レストラン
コンベンションホール
◎ ライブキッチンやビュッフェが楽しめる
◎ スタッフの出入りが気にならない
△ 周囲の話し声や視線が気になる
△ 移動が必要

2-2. オールインクルーシブに含まれるもの早見表

「オールインクルーシブ」は、まさに「お財布を気にしない」という解放感が魅力です。ラウンジでふかふかのソファに身を預け、窓の外の緑を眺めながらいただく冷たいドリンク…。これが無料だと思うと、満足感もひとしおですよね。

ただ、この「含まれる範囲」が宿によって本当にまちまちなのが注意点です。

ほとんどの宿で共通して含まれるのは、「ラウンジでのソフトドリンクやお菓子」です。湯上がりのアイスキャンディーや、コーヒー、紅茶などが自由に楽しめることが多いですね。

差が出やすいのは「アルコール類」です。特に「夕食時のドリンク」まで全て無料になる宿は、まだ少数派かもしれません。ラウンジでのみ時間限定(例:17時〜19時のハッピーアワー)で無料、というパターンも多いです。

予約前には、プラン詳細をよく読み、「自分が楽しみたい時間帯(特に夕食時)のドリンクがどうなっているか」を確認するのが、失敗しないコツですよ。

サービス内容 含まれることが多い(◎) 宿による(△) 含まれないことが多い(×)
ラウンジのソフトドリンク・お菓子
湯上がり処のドリンク・アイス
ラウンジのアルコール(時間限定)
夕食時のアルコール・ドリンク全般 △(※ここが重要) ×
貸切風呂の利用(1回無料など)
客室冷蔵庫内のドリンク ×
エステ・マッサージ ×

2-3. 価格相場と予算感(平日/土日/繁忙期)

やはり気になるのは、ご予算のことですよね。「部屋食」や「オールインクルーシブ」の宿は、一般的な宿に比べて価格設定が高めになる傾向があります。これは、お部屋ごとに料理を運ぶ人件費や、ドリンク代が上乗せされているため、仕方のない部分でもあります。

大切なのは、その価格で得られる「体験」とのバランスだと思います。

価格が大きく変動するのは、やはり「日程」です。最も高くなるのは、ゴールデンウィーク、お盆、紅葉シーズンの土曜日、年末年始。逆に、最もお得に泊まれる可能性が高いのは、連休明けの平日(月〜木曜日)や、閑散期(一般的に1月下旬〜2月、6月など)です。

もしスケジュールに融通が利くのであれば、断然「平日」の利用がおすすめです。料金が抑えられるだけでなく、館内全体が空いているため、大浴場やラウンジも静かに利用できる可能性が高まります。カレンダーを眺めながら、「この週なら休めるかも」と計画を立てる時間も、旅の楽しみのひとつですよね。

  • 価格が高騰する時期(繁忙期)
    • 土曜日、祝日の前日
    • ゴールデンウィーク、お盆、年末年始
    • 紅葉シーズン(10月〜11月頃の観光地)
  • 価格が安定・お得な時期(閑散期)
    • 平日の月曜日〜木曜日
    • 連休明けの週
    • 気候的に旅行者が減る時期(例:梅雨の6月、寒さが厳しい1月下旬〜2月など)
  • 予算の目安:一般的な温泉宿の1.2倍〜1.5倍程度を見ておくと、選択肢が広がる印象です。「部屋食」かつ「オールインクルーシブ」となると、さらに高価格帯になる傾向があります。

2-4. 予約前の確認ポイント(夕食時間/禁煙/アレルギー/送迎)

プランと日程が決まったら、いよいよ予約ですが、その前に最終確認しておきたい項目がいくつかあります。これを見落とすと、当日の快適さが大きく変わってしまうかもしれません。

まずは「アレルギー」です。これは最も重要です。予約サイトの備考欄に書くだけでなく、できれば予約後に一度、宿に直接電話して「〇〇アレルギー(と、どの程度までNGか)」を伝えておくと万全です。

次に「禁煙・喫煙」の確認。最近は全館禁煙の宿も増えましたが、「お部屋は禁煙(消臭対応)」という場合もあります。煙の匂いが本当に苦手な方は、「全館禁煙」か「禁煙フロア」が確実です。

また、意外と見落としがちなのが「夕食の最終開始時間」と「送迎バスの有無・時間」です。仕事終わりに向かう場合や、少し観光してからチェックインしたい場合、「着いたら夕食の最終時間に間に合わなかった…」とならないよう、確認しておきましょう。駅からの送迎も、予約が必要な場合がほとんどですよ。

【予約前の最終チェックリスト】

  • 食事:食物アレルギーの対応は可能か?(電話確認が望ましい)
  • 食事:夕食の最終開始時間は何時か?(到着時間と照合)
  • 客室:禁煙ルームか?(「消臭対応」ではなく「禁煙室」が確実)
  • 客室:寝具はベッドか布団か? 食事場所は椅子か座卓か?
  • アクセス:最寄り駅からの送迎バスはあるか? 最終便の時間は?(事前予約は必要か?)
  • アクセス:車の場合、駐車場は無料か? 予約は必要か?
  • 館内:エレベーターはあるか?(足腰に不安がある場合)

2-5. 静かに過ごすコツ(客室タイプ/階層/時間帯)

「静かな宿」を選んだとしても、さらに一歩進んで「より静かな環境」を確保するコツがあります。それは、宿の中での「場所」と「時間」を選ぶことです。

まず「場所」。客室を選ぶ際は、「角部屋」や「最上階」が狙い目です。隣室が片側だけになる、あるいは上階の足音がしない、というだけで、静かさは格段に上がります。また、人の往来が激しい「エレベーターホールや大浴場の入り口に近い部屋」を避けるのも有効です。予約時に「できれば静かなお部屋を」とリクエストしてみましょう。

次に「時間」です。大浴場やラウンジが最も混雑するのは、やはりチェックイン直後(15〜17時)と、夕食後(20〜22時)です。

もし、静かな大浴場を独り占めしたいなら、狙い目は「夕食どき(18時〜19時半頃)」や「早朝(朝5時〜6時頃)」です。皆さんお食事中か、まだお休みになっている時間帯なので、広々とした湯船で手足を伸ばし、お湯が流れる音だけを静かに楽しむ…そんな贅沢な時間が過ごせるかもしれません。

  • お部屋の選び方(リクエスト)
    • 「角部屋(となりが1部屋少ない)」
    • 「最上階(上階の足音がない)」
    • 「エレベーターや大浴場から離れた部屋(人の往来が少ない)」
  • 静かな時間帯の狙い方
    • 大浴場:夕食の時間帯(18:00〜19:30頃)、早朝(5:00〜6:00頃)
    • ラウンジ:チェックインのピーク(15:00〜16:00)を避けた時間、夕食後すぐの時間帯
  • プランの選び方:「露天風呂付客室」や「客室に温泉がある」プランを選ぶと、大浴場に行く回数が減り、結果的にお部屋で静かに過ごせます。
キャラクター
「ちょっとしたことですが、この差が大きいんですよね。特にアレルギーと禁煙の確認は大切です!」

3. 【全国版】静かに過ごせる「部屋食」の温泉宿12選

ここからは、いよいよ具体的な宿のご紹介です。

ただ「部屋食プランがある」というだけでなく、50代・60代の大人の旅にふさわしい「静かな時間」を過ごせるよう、本章では「**お部屋食を公式に明記**」または「**部屋食確約プランを公式で提供**」している宿を厳選しました。

歴史ある温泉地の風情を感じる宿、源泉かけ流しを独り占めできる離れ、アクセスの良さを誇る宿…。どの宿にも、大人の休日を豊かにしてくれる魅力があります。

もちろん、食事場所や提供の可否は、客室のタイプやプランによって細かく異なる場合があります。気になる宿が見つかったら、必ず予約時に「対象のプラン名」と「食事場所:客室」となっていることを、最後の確認画面でチェックしてくださいね。

3-0. 比較表(食事形式/客室風呂/客室タイプ/アクセス)

まずは、今回ご紹介する12軒の宿の概要を一覧表にまとめました。

「食事形式」が希望通りかはもちろん、「客室タイプ(ベッドの有無)」や「アクセス(移動の負担)」も、快適な滞在のための大切なポイントです。ご自身の旅のスタイルと照らし合わせながら、ご覧ください。

宿名 エリア 食事形式 客室風呂 客室タイプ アクセス(公式表記)
箱根湯本 月の宿 紗ら 神奈川・箱根湯本 部屋食プランあり(しゃぶしゃぶ等) 客室露天(温泉)有タイプあり 和洋 箱根湯本駅から徒歩約9分
離れ 山家荘 神奈川・箱根湯本 部屋食明記 全棟 源泉かけ流し風呂 離れ(和+ベッド有タイプあり) 箱根湯本駅から徒歩約10分
草津温泉 望雲 群馬・草津 夕食は部屋食または個室 温泉大浴場ほか 和室/和洋室 湯畑まで徒歩約3分
山代温泉 吉田屋山王閣 石川・山代 部屋食プランあり(会席) 露天付客室あり 和洋 JR加賀温泉駅より送迎あり(要事前予約)
秋保温泉 緑水亭 宮城・秋保 部屋食プランあり(お部屋出し) 露天付客室あり 和洋 仙台駅⇄無料送迎バスあり(事前予約制)
花巻温泉 佳松園 岩手・花巻 (ツイン・シングルを除き)夕食お部屋食 温泉大浴場ほか 和室中心+ベッド設定あり 新花巻駅から車約25分/送迎バスあり(指定便)
有馬温泉 銀水荘 兆楽 兵庫・有馬 部屋食可(一部除く) 露天付客室あり(金泉・銀泉) 和洋 有馬温泉駅 徒歩約10分/町内無料送迎あり(要連絡)
有馬温泉 兵衛向陽閣 兵庫・有馬 部屋食プランあり(旬会席) 温泉大浴場ほか 和室中心+ベッド設定あり 有馬温泉駅 徒歩約6分
有馬温泉 元湯 龍泉閣 兵庫・有馬 部屋食可(会席など) 家族風呂・露天ほか 和室中心+ベッド設定あり 有馬温泉駅よりバス・徒歩圏(アクセス案内あり)
由布院 お宿 有楽 大分・由布院 全室お部屋食 露天付離れあり 離れ中心(和+ベッド有タイプあり) 由布院駅から徒歩圏(周辺案内あり)
嬉野温泉 旅館 松園 佐賀・嬉野 お部屋食の温泉宿 温泉大浴場ほか 和室中心 嬉野ICから車約5分/バス停から徒歩圏
登別温泉 滝乃家別館 玉乃湯 北海道・登別 部屋食(ゆったり安心の部屋食プラン等) 温泉大浴場・露天 和室中心 登別駅からバス・車利用(アクセス案内あり)

3-1. 関東・甲信越(箱根・草津ほか)

まずは、都心からのアクセスも良く、週末の旅行先としても人気の高い関東・甲信越エリアです。箱根や草津といった名湯は、やはり一度は訪れたい魅力がありますよね。駅からのアクセスが良く、移動の負担が少ない宿も多い印象です。

箱根湯本 月の宿 紗ら(共立リゾート)
箱根湯本駅から歩いて約9分という、アクセスの良さが魅力の宿です。観光の拠点にもしやすそうですね。客室でゆっくりと味わう「しゃぶしゃぶ」などの部屋食プランが用意されているのが嬉しいポイント。客室露天風呂も温泉が楽しめるタイプがあり、共立リゾートならではのサービスも期待できます。

  • 部屋食のポイント:客室で味わう「しゃぶしゃぶ」などの部屋食プランあり。
  • アクセス:箱根湯本駅から徒歩約9分。

離れ 山家荘
箱根湯本駅から徒歩約10分でありながら、全五棟だけの「離れ」という静かな環境が魅力の宿です。まさに大人の隠れ家、という雰囲気ですね。全棟に「源泉かけ流し」のお風呂があり、食事も「お部屋食」と明記されています。和室にベッドが備わったお部屋もあるようで、誰にも邪魔されず、静かな時間を過ごしたい方に向いています。

  • 部屋食のポイント:「お部屋食」を公式に明記。
  • ポイント:全棟が源泉かけ流し風呂付きの「離れ」。

草津温泉 望雲
草津のシンボル「湯畑」まで歩いて約3分という、温泉街の散策にとても便利な立地です。湯畑の賑わいを感じつつ、宿では静かに過ごせそうですね。夕食は「部屋食または個室」と選べるようになっており、プライベート感を大切にできます。和洋室のベッドタイプを選べば、体への負担も少なく休めます。

  • 部屋食のポイント:「夕食は部屋食または個室」と明記。
  • アクセス:湯畑まで徒歩約3分。

3-2. 中部・北陸

北陸新幹線も延伸し、ぐっと近くなった中部・北陸エリア。加賀温泉郷など、歴史ある名湯と美味しい海の幸が魅力です。

山代温泉 吉田屋山王閣
開湯1300年の歴史を持つ山代温泉の宿。北陸ならではの海の幸・山の幸を使った会席料理を、お部屋でゆっくり楽しめる「部屋食プラン」が用意されています。露天風呂付き客室の選択肢もあり、JR加賀温泉駅からの送迎(要事前予約)があるのも安心できるポイントです。

  • 部屋食のポイント:会席料理の「部屋食プラン」あり。
  • アクセス:JR加賀温泉駅より送迎あり(要事前予約)。

3-3. 関西(有馬・白浜ほか)

京阪神からのアクセスが良い有馬温泉は、特に部屋食プランの選択肢が豊富なエリアです。駅からのアクセスや送迎の有無もあわせて確認しましょう。

有馬温泉 銀水荘 兆楽
有馬温泉駅から徒歩圏内でありながら、町内の無料送迎(要連絡)も利用できる便利な宿です。一部のプランを除き「部屋食可」とされており、金泉・銀泉の二つの名湯を客室露天風呂で楽しめるお部屋もあります。宿でゆっくりと金泉・銀泉を堪能できるのは贅沢ですね。

  • 部屋食のポイント:「部屋食可」と明記(一部プラン除く)。
  • アクセス:有馬温泉駅 徒歩約10分/町内無料送迎あり(要連絡)。

有馬温泉 兵衛向陽閣
有馬温泉駅 徒歩約6分という好立地の老舗旅館です。歴史ある宿で、安心して過ごせそうです。旬の会席料理を「お部屋で味わう」プランが用意されています。ベッドが備わったお部屋タイプも選べるので、和室の風情とベッドの快適さを両立できます。

  • 部屋食のポイント:「お部屋で味わう」旬会席プランあり。
  • アクセス:有馬温泉駅 徒歩約6分。

有馬温泉 元湯 龍泉閣
こちらも「部屋食可」と明記されており、会席料理などをお部屋で楽しめるプランがあります。有馬温泉は本当に選択肢が多くて迷いますね。公式サイトに詳しいアクセス案内があり、家族向けのサービスも充実している印象です。

  • 部屋食のポイント:会席料理などの「部屋食可」。
  • アクセス:有馬温泉駅よりバス・徒歩圏(公式アクセス案内あり)。

3-4. 中国・四国

申し訳ありません、中国・四国エリアについては、今回の「部屋食を公式に明記・確約プランあり」という基準でご紹介できる代表例が、現時点では少数でした。

「個室食事処」の宿はたくさんあるのですが、「お部屋」でとなると限られてくるようです。こちらは情報が増え次第、別の記事などで詳しくご紹介できればと思います。

3-5. 九州(由布院・嬉野ほか)

温泉天国・九州。人気の由布院や、美肌の湯・嬉野にも、静かな滞在が叶うお部屋食の宿があります。

由布院 お宿 有楽
「全室お部屋食」を掲げている、安心感のある宿です。これならプラン選びで迷うことがありませんね。お部屋も「離れ」が中心で、露天風呂付きのタイプもあります。由布院駅から徒歩圏内ながら、静かな滞在を求める方にはぴったりです。

  • 部屋食のポイント「全室お部屋食」を明記。
  • ポイント:離れ中心、露天風呂付き客室あり。

嬉野温泉 旅館 松園
日本三大美肌の湯・嬉野温泉で、「お部屋食の温泉宿」を掲げる老舗旅館です。昔ながらの、きめ細やかなおもてなしが期待できそうです。和室でゆっくりと、仲居さんが運んでくれる季節のお料理を味わう…そんな旅館の醍醐味(だいごみ)を楽しみたい方におすすめです。

  • 部屋食のポイント「お部屋食の温泉宿」を明記。
  • アクセス:嬉野ICから車で約5分。

3-6. 北海道・東北

豊かな自然に抱かれた北海道・東北エリア。登別や花巻といった名湯から、仙台の奥座敷・秋保温泉まで、魅力的な宿をご紹介します。

登別温泉 滝乃家別館 玉乃湯
日本有数の名湯、登別温泉にある宿です。「ゆったり安心の部屋食プラン」など、お部屋で食事ができるプランを明記しています。登別の力強いお湯を堪能したあと、お部屋でほっと一息つけるのは嬉しいですね。

  • 部屋食のポイント:「部屋食プラン」を明記。
  • アクセス:登別駅からバス・車利用(公式アクセス案内あり)。

秋保温泉 緑水亭
仙台の奥座敷・秋保温泉の高台に位置する、広大な日本庭園が自慢の宿です。「お部屋出し」の部屋食プランが用意されています。仙台駅から無料の送迎バス(事前予約制)が出ているので、アクセスも便利です。

  • 部屋食のポイント:「お部屋出し・部屋食プラン」あり。
  • アクセス:仙台駅⇄無料送迎バスあり(事前予約制)。

花巻温泉 佳松園
岩手・花巻温泉郷にある、落ち着いた雰囲気の数寄屋造りの宿です。公式サイトに「(ツイン・シングルを除き)夕食お部屋食」と明記されており、和室でゆっくりと過ごしたい方には安心です。指定便ですが、新花巻駅からの送迎バスがあるのも助かりますね。

  • 部屋食のポイント:ツイン・シングル客室を除き「夕食お部屋食」を明記。
  • アクセス:新花巻駅から車約25分/送迎バスあり(指定便)。
キャラクター
「『部屋食確約』と書いてあると、本当に安心ですよね。気になる宿はありましたか? 予約する時は、プラン名をしっかり確認してくださいね。」

4. 【全国版】予算を気にせず楽しめる「オールインクルーシブ」の宿12選

ここで挙げるのは、公式に「オールインクルーシブ」や同等のフリーフロー/フリードリンクを明示している宿のみです。
方式は次の3タイプで表記します:

主なパターン 含まれる内容(例) 注意点
① ラウンジ型 ラウンジのソフトドリンク・軽食など 夕食時ドリンクは別料金のことが多い
② ハッピーアワー型 ①に加え、時間限定でアルコール等がフリー 対象ドリンクと時間を要確認
③ フルサービス型 ①②に加え、夕食時の(指定内)ドリンク含むことを明示 銘柄・対象範囲は宿により異なる

4-1. 関東・甲信越

週末ショートトリップにも便利。那須・日光・南房総はオールインクルーシブの選択肢が豊富です。

4-2. 中部・北陸

4-3. 関西

4-4. 北海道・東北

5. 予約のコツ(いつ・どこで・どのプラン)

さて、泊まりたい宿のイメージが固まってきたら、次はいよいよ「予約」です。ですが、この予約こそが、旅の満足度を左右する最後の重要なステップかもしれません。

というのも、「部屋食」や「オールインクルーシブ」といった人気のプラン、特に「露天風呂付き客室」や「ベッドのある和洋室」は、本当にすぐに埋まってしまうからです。

「いつ予約するのが一番良いの?」とよく聞かれますが、これはもう「行きたい日が決まったら、できるだけ早く」というのが答えになります。特に週末や、紅葉シーズン・ゴールデンウィークといった繁忙期は、半年前から動いても早すぎることはないくらいです。

最近は「早割(早期割引プラン)」を用意している宿も多いので、日程が確実に決まっているなら、それを利用しない手はありません。

また、楽天トラベルやじゃらん、一休.comなど、予約サイトもたくさんあって迷いますよね。ポイントを貯めているサイトや、セール(楽天スーパーセールや一休のタイムセールなど)のタイミングを狙うのも賢い方法です。

ただ、どのサイトで予約するにしても、一番気をつけたいのが「プラン内容の見間違い」です。特に「部屋食」と「個室食」の違いは、当日のがっかり感に直結してしまいます。

そしてもう一つ、50代・60代の旅で必ず確認しておきたいのが「キャンセル規定」です。ご自身の体調だけでなく、ご家族の都合など、急な予定変更もあり得る年代だからこそ、「いつからキャンセル料がかかるのか」を予約時にしっかり把握しておく安心感はとても大切です。

予約の「最後のひと押し」をする前に、もう一度確認しておきたいポイントを、この章で詳しく見ていきましょう。

予約タイミングの目安 狙い目の時期 注意点
繁忙期
(GW・お盆・年末年始・紅葉期)
半年前〜3ヶ月前 人気の宿・部屋タイプは予約開始と同時に埋まることも。早めの行動が必須です。
通常の土曜日・連休 3ヶ月前〜2ヶ月前 「早割」プランが出ていることが多い時期。このタイミングで押さえるのがおすすめです。
平日 1ヶ月前〜 比較的予約は取りやすいですが、人気の部屋食プランは早めに。「直前割」が出ることもあります。

予約サイトを見比べながら、「どのプランがお得かな」「ポイントは何倍かな」と考えるのは、旅の準備の楽しい時間ですよね。

でも、その楽しさに加えて、「プラン内容の最終確認」は、ぜひ指差し確認するくらいの慎重さで行っていただきたいのです。

特に「部屋食」の表記。予約サイトの検索機能で「部屋食」を選んでも、実際には「個室食事処」のプランが混じって表示されることは、本当によくあります。

予約確定画面で、「食事場所:客室」となっているか、あるいは「食事場所:個室料亭『〇〇』」となっていないか、最後の最後まで気を抜かないことが大切です。

そして、キャンセル規定です。最近は「14日前から」など、比較的早い段階からキャンセル料が発生する宿も増えている印象です。予約したらすぐに、手帳やカレンダーに「〇〇宿、△日前からキャンセル料」と書き込んでおく。この小さな一手間が、未来の安心につながりますよ。

5-1. ベストタイミングとキャンセル規定の見方

「この宿に泊まりたい!」と心が決まったら、次に行動に移すタイミングが重要です。

50代・60代の旅は、体調やご家族の都合も考慮して、あまり無理のないスケジュールを組みたいものですよね。だからこそ、早め早めに動いて、希望の宿と部屋を確保しておくのが一番の安心材料になります。

先ほどの表でも触れましたが、人気の宿、特に「部屋食プラン」や「露天風呂付き客室」は、本当に争奪戦です。カレンダーで赤くなっている日(土曜日や連休)は、3ヶ月前ではもう遅い、なんてことも珍しくありません。もし日程をずらせるなら、「早割」プランを狙うのが最もお得で確実な方法です。

そして、予約と必ずセットで確認するのが「キャンセル規定」です。

「予約日の14日前から20%」「3日前から50%」「前日は80%」など、宿やプランによって規定は本当にバラバラです。

「まあ、大丈夫だろう」と読み飛ばさず、予約確定ボタンを押す前に必ず目を通してください。「いつから、何パーセントのキャンセル料が発生するのか」を正確に把握しておくこと。これが、大人の旅の「リスク管理」の第一歩だと私は思います。

  • 予約タイミングのまとめ
    • 繁忙期(GW、お盆、年末年始、紅葉の週末):半年前〜3ヶ月前が勝負。予約開始日をチェックすることも大切です。
    • 通常の土曜日:3ヶ月前〜2ヶ月前を目安に。「早割プラン」がないか確認しましょう。
    • 平日:1ヶ月前〜でも比較的空いていますが、人気の部屋食プランは早めに。閑散期は「直前割」でお得になるケースもあります。
  • キャンセル規定の確認ポイント
    • 「いつから」発生するか?:「〇日前から」という日付の起算点をしっかり確認します。(例:7日前、3日前、前日など)
    • 「いくら」発生するか?:宿泊料に対するパーセンテージ(例:20%、50%、100%)を確認します。
    • 「不泊」の場合:連絡なしでキャンセルした場合、100%請求されるのが一般的です。
    • 手続きの方法:予約サイト経由の場合、キャンセルはサイト上で行うのか、宿への直接電話が必要なのかも確認しておくと安心です。

5-2. 予約サイト別の表記差と注意語(部屋食/個室食/会場食)

楽天トラベル、じゃらん、一休.com、Yahoo!トラベル…今は本当にたくさんの予約サイトがあって便利ですよね。ポイントを貯めているお気に入りのサイトで予約したい、という方も多いと思います。

ですが、ここで一番、本当に一番注意していただきたいのが、第2章でも触れた「食事場所の表記」です。これが、サイトによって微妙に違ったり、分かりにくかったりすることがあるんです。

一番よくある「思い違い」は、予約サイトの検索条件で「部屋食」にチェックを入れて検索したのに、実際には「個室食事処」のプランが混じって表示されるケースです。

サイトのシステム上、「プライベートが確保された食事」という広い括(くく)りで分類されてしまい、客室で食べる「部屋食」と、食事処へ移動する「個室食」が一緒くたに扱われることがあるんですね。

「お部屋でゆっくりできる」と思って予約したのに、当日「お食事はこちらの個室食事処です」と案内されてがっかり…という体験は、せっかくの旅を台無しにしてしまいます。

アドバイスとしては、プラン名や詳細説明を、本当に穴が開くほどよく見ることです。

「【部屋食確約】」と書いてあれば安心ですが、そうでない場合は、プラン詳細の「お食事」という欄に、「場所:客室」または「場所:お部屋」と明記されているか、逆に「場所:個室食事処『〇〇』にて」や「場所:料亭『△△』」と書かれていないか、必ず確認しましょう。不安な場合は、予約サイトで予約する前に、一度その宿の公式サイトでプラン内容を見比べるか、宿に直接電話で確認するのが一番確実ですよ。

予約サイトの表記(例) 実際の食事場所の可能性 予約前の確認ポイント
「部屋食」
(検索フィルター)
◎ 客室
△ 個室食事処(これが混在しやすい)
プラン名や詳細に「部屋食確約」とあるか?
「食事場所:客室」と明記されているか?
「個室食」
「個室食事処」
◎ 個室食事処(客室とは別) 客室から「移動」が必要であることを理解しているか?
「食事処」
「会場食」
△ レストラン(他の宿泊客と一緒)
△ 個室食事処(稀)
「個室」とは書かれていないため、レストラン会場である可能性が高い。
「朝・夕」
(場所の記載なし)
?(最も危険) 会場食である可能性が高い。必ずプラン詳細や宿の公式サイトで「食事場所」を確認する。
キャラクター
「『部屋食』の検索フィルターをかけても『個室食』が混じるのは、予約サイトの『あるある』なんです…。最後の最後まで、プランの注意書きをしっかり読んでくださいね。」

6. よくある質問(FAQ)

最後に、宿を予約する際や、検討している段階で疑問に思いがちな点を、Q&A形式でまとめました。

特に「部屋食と個室食の違い」や、「オールインクルーシブのアルコール」については、多くの方が迷われるポイントだと思います。ここで改めて確認しておくことで、予約時の「うっかりミス」を防ぐことにもつながります。

また、露天風呂付き客室のお湯のことや、車椅子や杖をご利用の際の確認事項など、50代・60代の快適な旅のために知っておきたい大切な情報も触れています。

せっかくの旅行ですから、小さな疑問や不安は出発前に解消しておきたいものですよね。ここでスッキリさせて、心からリラックスできる旅の準備を整えましょう。

  • 食事場所、料金体系、温泉の質、バリアフリー対応など、シニア層が特に気になるポイントを厳選しました。
  • 最終的な答えは「宿やプランによる」ことが多いですが、確認すべき「ポイント」を明確にしています。
  • 不安な点は、予約サイトの情報だけでなく、宿の公式サイトや電話で直接確認するのが最も確実です。

6-1. 部屋食と個室食の違いは?

これは、予約時に最も注意が必要な違いです。

部屋食(へやしょく)」は、ご自身が宿泊している「客室」で食事をすること。「部屋出し(へやだし)」とも言われます。仲居さんがお部屋まで運んでくれる、伝統的な旅館のスタイルですね。最大のメリットは、お部屋から一歩も「移動しなくて良い」ことです。

一方、「個室食(こしつしょく)」は、客室とは「」の場所にある「食事専用の個室」へ移動して食事をすることです。プライバシーは守られますが、「食事処への移動」が発生します。

予約サイトの検索で「部屋食」を選んでも、「個室食」プランが混在することがよくあります。プラン詳細の「食事場所:客室」という表記を必ず確認してくださいね。

部屋食(部屋出し) 個室食(個室食事処)
食事場所 宿泊している客室 客室とは別の専用個室
移動 不要 必要(客室 → 食事処)
メリット ・移動が一切不要で楽
・完全なプライベート空間
・寝室と食事空間を分けられる
・部屋に匂いが残らない

6-2. オールインクルーシブにアルコールは含まれる?

答えは、「宿やプランによります」としか言えません。

「オールインクルーシブ」とあっても、その範囲は様々です。ラウンジのソフトドリンクやお菓子は無料でも、アルコールは有料、という宿は多いです。

アルコールが含まれる場合でも、
1. ラウンジで時間限定(例:17時〜19時)で無料の「ハッピーアワー型」
2. 夕食時のドリンク(指定メニュー内)も無料の「フルサービス型」
など、パターンが分かれます。

特に「夕食時にお酒も楽しみたい」という方は、予約前に「夕食時のドリンク(アルコール含む)」が料金に含まれているかを、プラン詳細でしっかり確認することが不可欠です。

  • 含まれることが多い例:ラウンジのソフトドリンク、コーヒー、紅茶、お菓子、湯上がりのアイスなど。
  • 宿による例(要確認):ラウンジでのアルコール提供(時間や種類が限定的な場合も多い)、夕食時のドリンク(特にアルコール)
  • 含まれないことが多い例:ボトルワインや地酒の特定銘柄、ルームサービス、エステなど。

6-3. 露天風呂付客室は源泉かけ流し?

これも、「宿によります」が答えです。

「露天風呂付き客室」という響きはとても魅力的ですが、そのお湯が必ずしも「温泉」とは限りませんし、「温泉」であっても「源泉かけ流し」とは限りません。

パターンとしては、
1. 源泉かけ流しの温泉(最も贅沢なパターン)
2. 循環・ろ過・加温した温泉(衛生管理や温度維持のため)
3. 温泉ではないお湯(いわゆる「沸かし湯」や「ジャグジー」)
の3種類が考えられます。

もし「源泉かけ流し」にこだわりたい場合は、プラン詳細や客室説明に「客室露天風呂は源泉かけ流し」と明記されているかを確認しましょう。記載がない場合は、宿に直接問い合わせてみるのが確実です。

  • 確認ポイント①:そもそも「温泉」かどうか。プラン詳細に「客室露天風呂(温泉)」といった表記があるか確認します。
  • 確認ポイント②:「温泉」の場合、その供給方法は何か。「源泉かけ流し」「循環ろ過」「加温あり」などの表記を確認します。
  • 注意点:特に記載がない場合は、温泉ではない「沸かし湯」の可能性も考慮します。景観を楽しむためのジャグジーバス、という位置づけの場合もあります。

6-4. 1人利用・連泊割・送迎の可否は?

「部屋食」や「露天風呂付き客室」といったお部屋は、基本的に2名以上での利用を前提にしている宿が多く、1人利用(ひとり旅)のプランは少ないか、平日限定になっている傾向があります。もしご希望の場合は、予約サイトで「1名」で検索するか、宿に直接電話で問い合わせてみると良いでしょう。

連泊割」は、連泊専用プランを用意している宿もあります。その場合、2泊目の食事内容を変えてくれるかどうかも、予約時に確認しておくと楽しみが広がりますね。

送迎」は、最寄りの主要駅(例:箱根湯本駅、加賀温泉駅など)から宿まで無料の送迎バスを運行している宿は多いです。ただし、ほとんどの場合が「事前予約制」または「定時運行」です。到着時刻とバスの時間が合うか、予約が必要かを必ず確認しましょう。

  • 1人利用:設定が少ない傾向。平日限定プランや、電話予約のみで受け付けている場合もあるため要確認。
  • 連泊割:専用プランがあるか確認。「2泊目のお料理内容」も確認すると安心。
  • 送迎:最寄り駅からの送迎バスの有無、運行時間、事前予約の要否を必ず公式サイトで確認する。

6-5. 車椅子・杖利用時の確認事項は?

車椅子や杖をご利用の場合、または足腰に不安がある場合は、予約前に確認しておくべきことがいくつかあります。

歴史ある旅館などは、風情がある反面、増築を重ねて館内が複雑だったり、階段や段差が多かったりすることもあります。

まずは「エレベーターの有無」と、エレベーターを降りてから「客室までの距離や段差」です。また、客室から「大浴場」や「食事処(個室食の場合)」までの動線に階段がないかも重要です。

最も確実なのは、予約時に宿へ直接電話をかけ、「車椅子(または杖)を利用する者がいるが、館内の移動はスムーズか」「エレベーターから近い部屋を希望する」といった具体的な状況を伝えて相談することです。「バリアフリールーム」や「ユニバーサルルーム」 を備えた宿もありますよ。

  • □ 館内にエレベーターはあるか?
  • □ エレベーターから客室までに段差・階段はないか?
  • □ 客室から大浴場・食事処までの動線に段差・階段はないか?
  • □ 客室の寝具は「ベッド」か? 食事場所は「椅子・テーブル」か?
  • □ 貸出用の車椅子はあるか?
  • □ バリアフリールーム(ユニバーサルルーム)の空きはあるか?
  • □ (可能であれば)宿に直接電話し、状況を伝えて相談する。
キャラクター
「特に車椅子や杖をご利用の場合は、予約サイトの情報だけでは分からない館内の小さな段差などもありますから、一度お電話で宿の方に相談するのが一番安心だと思います。」

7. まとめ(地域別ガイド:関西編/九州編/伊豆・箱根編へ)

50代・60代からの夫婦旅行にぴったりな、「部屋食」と「オールインクルーシブ」の宿について、選び方のコツや注意点をご紹介してきました。

周りを気にせず、自分たちのペースでゆっくりと食事を味わえる「お部屋食」。器のふたを開ける瞬間の、ふわりと立ちのぼる湯気や香り…。そんな時間も、お部屋食ならではの楽しみですよね。

そして、滞在中のお財布を気にせず、ラウンジでのドリンクやサービスを心ゆくまで楽しめる「オールインクルーシブ」の安心感。

どちらのスタイルも、日常の慌ただしさから離れ、心からリラックスしたい大人の旅に、新しい「快適さ」という価値を加えてくれるものだと思います。

大切なのは、その言葉の響きだけでなく、「本当に自分の希望に合っているか」を予約前にしっかり確認することです。

「食事場所は本当に客室?」「夕食時のアルコールは含まれる?」「寝具はベッド?」「キャンセル料はいつから?」

この「事前の小さな確認」が、当日の「大きな満足」につながっていきます。

この記事が、あなたの大切な人との、心安らぐ素敵な旅の宿を見つけるきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。

【旅の満足度を上げる最終チェックポイント】

  • 部屋食の確認:「客室」か「個室食事処」か、プラン詳細の「食事場所」を必ず指差し確認しましょう。
  • オールインクルーシブの確認:特に「夕食時のアルコール」が含まれるか、ラウンジの利用時間やサービス範囲を確認しましょう。
  • 快適さの確認:寝具は「ベッド」か、食事は「椅子」か、足腰に不安がある場合は館内の「段差」や「エレベーターからの距離」も要チェックです。
  • 予約時の確認:人気の宿や部屋は「早めの予約」が鉄則。そして、予約確定前に「キャンセル規定」を必ず読みましょう。

宿選びの「軸」が決まったら、次は「どこへ行くか」を考えるのも楽しい時間ですね。
今後は、人気のエリアに絞った、より具体的な宿の紹介記事もご用意していく予定です。